4年次並木祭②
「そんな事より、今年の出演者は決まっているの?」
「いや、まだ。」
「マジかよ?並木祭2週間前だぜ?」
「目ぼしいアーティストにはアタックして返事待ちってとこ。」
「良子!わいみょんとレモン出てくれるってさ。今マネージャーから返信来た。」
「目玉がまだだな?」
「エース&クイーンとデブザルもOK。ファイアーマンもOKだって。」
「それは目玉だな。つーかデブザルって何者?」
「来る者は拒まず、去る者は追わず…。か。」
「急いでイベント会社に発注かけろよ?」
「もうやってるわよ。って言うか並木祭実行委員長って暇なの?」
「たまたま時間が空いてて、見に来てやっただけ。ちゃんとやっているんじゃん?」
「山川!次行くぞ!」
「ライヴ班は気になるか?」
「まぁ、思い入れはあるからな。」
「良子しっかり頼むわ。」
「分かったわよ。」
「山川!」
「じゃ!」
「つよしの奴チームリーダーでもないくせに。腹立つわ。」
「山川!一兵!どこで道草食ってたんだよ?模擬店と看護学科の研究発表内容が決まったから見てくれないか?」
「1年生メイドカフェ、2年生クイズ屋敷、3年生ノーマルカフェ、4年生おでん屋、5年生ラーメン屋、6年生アイスクリーム屋。看護学科は天災時の救護の在り方。」
「悪くないね。後は予算内に収まるか。だな?」
「今、吉永が必死で電卓叩いてる。」
「OK。客足が伸びなくても予算内。」
「山川、俺営業して来るよ。」
「何処に?」
「所沢市役所と所沢駅。チラシ作ったからさ。」
「チラシ?いつの間に?」
「山川がライヴチームにのめり込んでる間にだよ!まぁ、こう言うのは副委員長の役目だし。」
「気を付けてな。」
「チラシ持ったか?」
「あぁ、1000枚な。」
「吉永?吹奏楽部の定期演奏会の方は…。俺達が口出すまでも無いか?」
「そうだな。一応庶務科に事業計画書は出したけど。」
「後はライヴチームのアーティストを入力すれば、完了だ。」
「出演者のアーティストリストアップ出来ているみたいだよ?」
「じゃあ、ここに入力して。」
「エンター。これで事務処理はおしまい。後は当日の模擬店の売り上げと、ライヴチームのチケットと、定期演奏会のチケットの最終売り上げを確認して、並木祭実行委員会の仕事はおしまい。俺は今年で卒業だから丁寧に仕事したよ。」
「しっかし、一兵の奴遅いな?」
「手当たり次第アタックしているんじゃない?」
「1日でやろうとするから、あの馬鹿は。」
「気持ちは分からなくもないけどね。」
「たっだいま!1000枚あちこちにばらまいて来たよ。でもまだ全然足りない。」
「分かったよ。でも今日はこれでお疲れ様。」
「え!あっ、そう?」
「チラシ、同じフォントで今、印刷開始したよ。」
「吉永、貴様大車輪の活躍じゃないか?」
「え?普通じゃない?」




