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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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113/200

4年次夏期休暇

 一兵とセツ菜は貴重な夏休みだと言うにも関わらず、金海グループの保有する施設で、企業研修を受ける事になった。

 「本当最悪だよ。」

 「大体、一兵がパパに口答えなんかするから。」

 「いくら御義父様が絶大なる権力を握る金海グループのドンでも、俺にも譲れない一線ってのはあるのはセツ菜も理解してくれてるよな?」

 「それは私も同じよ?」

 「それに俺達まだ防衛医科大学校学生の身分だぜ?御義父様もちょっと気が早いんじゃないか?」

 「パパにして見れば一兵は大切な後継者なの。それは理解してあげて?」

 「そりゃあ将来的には、自衛隊を辞めて金海グループの経営者にならなきゃいけないのは、百も承知だよ?」

 「分かっているじゃないか?」

 「御義父様!?」

 「君は尾崎の名を捨て、その時からいずれはこの巨大財閥を継ぐ者だと腹をくくっていたのではないか?」

 「御義父様の言う通りその覚悟は出来ていました。」

 「ならば、防衛医科大学校の授業同様に私の"教育"もしっかり受けて貰わねば困る。セツ菜?お前もだ。」

 「パパ…。」

 つまらない金海グループの企業研修は予定よりも1週間早く終わった。どうやらグループ内で何かトラブルが発生したらしい。

 「セツ菜?何かトラブルがあったのか?」

 「詳しくは分からないけど、パパの進退に関わる事ではないみたい。」

 「皇帝だからなあの人は…。」

 「夏休みなのになんかどこにもバケーション出来ていないね?私達…。山川君と良子はハワイ旅行だって言ってたし。温泉でも行かない?」

 「俺は構わないけど…。」

 「パパの事なら大丈夫。ママもいるし。それにパパは肝心な事以外はサッパリなの。」

 「え?どういう事?」

 「何かあればどんな手を使っても取り戻そうとするけど今は違う。若い夫婦のプライベートにまで口を出さない心の広い王様なの。パパは。」

 「じゃあ遠慮なく箱根温泉でも行くか?」

 「2泊3日位?3泊4日位?」

 「3泊位なら疲れもとれるかもね?」

 「OK。予約取れたよ。」

 「早っ!」

 「チョイとハイグレードと言っても箱根温泉近辺では安めの1泊2万5000円の旅館。中々予約取れない人気の宿なんだぞ?」

 「それなりの出費ね?」

 「これ見ろよ!」

 「え?預金残高240万円!?」

 「凄いね!」

 「普段は使わないからずっと貯めていたんだ。」

 「ちなみに私はもっとあるよ(笑)。」

 「部隊に配属されたらもっとお給料貰えるって事だよね?」

 「ああ!だから頑張って医師国家資格絶対受かろう!」

 「落ちたらパパの言いなり確定だね?」

 「さぁな。医師国家資格浪人なんて恥ずかしいまねは出来ないよ。」

 「ここが箱根の有名旅館?」

 「ああ。」

 「予約していた金海です。」

 「ちょっと!オーナー呼んで!早く」

 「金海様お待たせ致しました。オーナーの鳥海と申します。当館は金海グループ傘下の宿でして、お話は金海会長から伺っております。それではお部屋に御案内します。」

 「ここVIPルームですよね?値段お高いんじゃ?」

 「金海会長のお口添えで特別料金で御案内させて頂きます。」

 「御義父様…。」

 「一兵知ってたの?」

 「いや、全然。」

 「凄えな金海グループ。それを少しでも忘れる為に来たのにな。」

 結局、1泊10万円のVIPルームを1泊2万円で泊まれる事になり、予定通り3泊しても夏休みはまだあったが、少し早めに原隊復帰した。大学生活も4年目の後半に突入しようとしていた。

 「川下一曹飯大盛りでお願いします!」

 「若いって良いな?俺はもう年のせいか酒飲んだら、夜は飯食えないもんな。まぁ、俺は褒められた生活じゃねーけどな。」

 「自分で言いますか?(笑)。」

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