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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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110/200

4年次オープン戦VS防衛大学校アメフト部

 「良子さん、セツ菜、昨日は悪態ついて悪かった。ごめん。」

 「もういいよ。ねぇ?セツ菜。」

 「たまにはそう言う時もあるって。それより今日は現役最後の防衛大学校との春期交流戦じゃない?気合いいれてこうよ!」

 「しかし防衛医科大学校ブラッサムズの大黒柱の一兵が、二日酔いでかなりグロッキーだぞ?大丈夫か?」

 「山川、俺アルコールは抜けてる。でもプレイして無理なら星に(2年生クォーターバック)代えてくれ。」

 「了解。お、来たぞ防衛大学校アメフト部。今年もケチョンケチョンにしてやるぜ?」

 体育祭直後の日曜日は毎年防衛大学校アメフト部と試合をするのがサークル時代からの伝統行事であった。通算45戦して防衛医科大学校ブラッサムズの15勝30敗とブラッサムズは大きく負け越していたが、一兵達が入学してからは、3年連続で、ブラッサムズが勝利し存在感を示していた。

 「ハドル!」

 「しゃす!」

 試合前のウォーミングアップが終わり、試合開始である。今年もブラッサムズには、タイトエンドの花田や、ランニングバックの大和ら新戦力も加わり、去年よりもブラッサムズは確実に強くなっていた。

 第1Qは先制点を取りたい為にラン攻撃でジリジリと、敵陣30ヤード付近まで、ファーストダウンを更新し続ける。ちなみにまだ本調子ではない一兵に代わりQBは2年生の星が務めていた。

 しかし、星はパスプロ(パスプロテクション)が上手く噛み合わず、キックによる3点にとどまる。一方の防衛医科大学校ブラッサムズのディフェンスは、ワイドレシーバーへガンガンボールを投げ込まれ、窮地にたたされる。だがその悪い流れを変えたのはラインバッカーの山川であった。ワイドレシーバーへのへのパスをインターセプトし、そのままゴールまで80ヤードを爆走。この日最初のタッチダウンを決めた。トライフォーポイントも決まり10-0とブラッサムズがリードを広げた所で、第1クォーターは終了。

 ところが、第2クォーターからは、点の取り合いになった。防衛大学校はフレッシュなワイドレシーバーを次々と入れ換え、クォーターバックもエース格の田上を投入すると、状況は一変。挨拶がわりに30ヤードのタッチダウンパスを決められ10-7とされると、次のオフェンスでは星にサックを二度決められ、ブラッサムズはパントをするはめになった。

 すると、ボールをキャッチした防衛大学校のリターナーが猛ダッシュで、これぞ防衛大学校と言う足腰を見せつけられそのままタッチダウン。10-14とブラッサムズは逆転され前半終了。後半からは一兵も出場したが、この日は一兵もパスプロが悪く、ワイドレシーバーへのパスが中々通らなかった。それが敗因となり結局17-35のダブルスコアで敗れた。一兵や山川にとっては、苦い現役最後の防衛大学校との春期交流戦となってしまった。

 「ま、こういう時もあるよ。」

 「秋のリーグ戦に向けて課題がはっきりしたな。」

 「でもホームゲームで負けたのは悔しかったな。」

 「そうだな?つーか一兵マジで昨日飲み過ぎただろ?」

 「アルコールは抜けてると思ったんだかな…。」

 「パスプロ相当悪かったぞ?」

 「そうだな。山川にしてはよく見てるじゃないか?」

 「いや、誰でも分かるって。」

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