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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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4年次アメフト部新入部員

 「部長?めっちゃ日焼けしてません?」

 「ああ。沖縄での訓練だったからな。」

 「お土産とかないんですか?」

 「あるわけねぇ…って山川貴様!?」

 「サーターアンダギーだけど一兵も食う?」

 「あれだけ厳しい訓練の中山川の奴、お土産を買う余裕があるとは…。」

 「そんな事よりどうすんだ?この30人の新入部員。」

 「山ノ内、宇野、星、設楽。プロフィールを見てポジション決めてやれ。時間は30分、ヨーイスタート!」

 「はっ、はい!」

 「皆、ちんすこうも食えよ。」

 「ありがとうございます。」

 「ねぇ?つよし?いつこんなにお土産買う時間あったの?」

 「那覇空港の売店(笑)。」

 「たった20分の乗り換え時間しか無かったのに?呆れたわ。」

 「1分1秒を無駄にしなかった俺の勝利だ。」

 「流石山川君。抜け目がないわね。」

 「そう言ってくれるのはセツ菜ちゃん位だよ。」

 「一兵先輩、即戦力2名に絞れました。」

 「お、早いな。今行く。」

 「大和タケル、埼玉栄高校アメフト部元主将。ポジションはディフェンスバック。もう一人が花田王子、静岡県三島高校アメフト部元主将。全国高校総体3位。ポジションはフルバックです。」

 「未経験者も多いから、オフェンスは花田。ディフェンスは大和が、代表して見てやってくれ。無理に決めつけなくても良いから、基礎からしっかり教えてやってくれ。」

 「分かりました。」

 「おい!一兵。つーかそれ、貴様の仕事じゃね?」

 「いや、1年でアメフト部を去る者に決められるよりも同期に決めてもらった方が、良いだろ?」

 「おーし!全員ハドルだ!」

 「おい!ハドルだってよ?」

 「ハドルって何?」

 「集合って事!行くぞ!」

 「こんな大所帯になるとは俺達4年生が入った時は思っても見なかった。当時はまだサークルで、俺達4年生は面食らった。しかし防衛医科大学校アメフト部は先輩や4年生のたゆまぬ努力で、去年(2024年度)関東学生医科歯科リーグに初参戦した。結果は1勝止まりだったが、何とか残留する事が出来た。そんな俺達の目標は関東学生医科歯科リーグ制覇だ。皆、知ってる通り学校の規定で部活動やサークルは4年生で引退しなければならない。5、6年生は学業に専念する為だ。俺達4年生には、今年のワンチャンスしかない事を理解して欲しい。」

 「ちなみにシーズン直前の夏合宿の参加は強制はしない。残りたい奴だけでやる。途中合流も歓迎する。練習時間は平日2時間、土日祝は5時間と言いたい所だが、我々は幹部自衛官の卵。土日に自衛隊関連のイベント参加等で全員がまとまって活動出来る時間は限られている。」

 「とかく、新入部員諸君はまだ集団生活に慣れていない。そのあたりも含めて調子のピークを秋に持って行ける様に調整してくれるとありがたい。ちなみに俺は今季(2025年度)アメフト部長の金海一兵だ。」

 「副部長の山川つよしだ!」

 「よ!大隊長!」

 「そこ!馬鹿にしない。」

 「私は部長の妻でマネージャーの金海セツ菜です。」

 「同じく、副部長の妻でマネージャーの山川良子です。」

 「学生結婚しているんですか?部長も副部長も?」

 「あんな美女と学生結婚何て羨まし過ぎる。」

 「貴様らが思う程学生結婚は甘くないぞ?」

 「一兵…。」

 「学業も全力、部活動も全力、訓練も全力、恋愛も全力、なーんて相当ハードだぞ?と言う事を伝えたい。この学校は並の医科大ではないって事も理解しておくと、学校生活が随分楽になるよ?アメフトなんて二の次で多いに結構何だし、優先順位は貴様らが決めろ。」

 と一兵は先輩方に言われたアドバイスを思い出し、本音で伝えた。そう。アメフトなんざ二の次で良いのだ。

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