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防衛医科大学校~知られざる医官(軍医)養成所~NDMC (ナショナル・ディフェンス・メディカル・カレッジ)  作者: 佐久間五十六


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3年次卒業式①

 「馬場先輩!」

 「おお!山川に金海?元気そうだな!」

 「卒業おめでとうございます!」

 「ありがとう。医師国家資格も取れたし、4月からは陸上自衛隊の幹部学校で初任幹部教育で、福岡に行かねばならん。二等陸尉やで!(笑)」

 「そう言えば野上先輩は?」

 「さっきまで一緒にいたはずやけどな?まぁ、探してみたら?」

 「はい。ありがとうございます。」

 「おい!一兵!こっちこっち。野上先輩彼女と親しそうやで?後に回すか?」

 「いや、ここは正面突破だ。」

 「野上先輩!」

 「山川に金海久し振りだな。」

 「野上先輩お元気そうで。医師国家資格どうでした?」

 「楽勝だよ。合格。4月からは海上自衛隊の幹部学校で6週間の初任幹部教育で…。」

 「江田島に行くんですね?」

 「よく知ってるな。」

 「あのぉ、差し支えなければお隣の方は…?」

 「ああ。僕の嫁だよ。今は防衛大学校の3年生来月から4年生になる。僕の卒業を期に結婚する事にしたのさ。ま、お互い遠距離になっちゃうけど、彼女も僕を信じて結婚する運びとなった。」

 「どこで出会ったんですか?」

 「あ!そろそろ式が始まるよ!」

 「あ!逃げられたか…。まだ聞きたい事あるのに。」

 「おい!一兵。マジで式が始まるぞ?」

 「3回目ともなるとマンネリだな。」

 「確かに。」

 今年の6年生の医師国家試験合格率は100%で落第者は出なかった。看護学科も看護師国家試験の合格率は100%だった。第56期の首席卒業者は水竹雄治元桜寮長兼第1大隊長であった。

 流石と言う先輩としかいいようが無かった。水竹先輩は陸上自衛隊に任官すると言う事であった。そうこうする内に式が終わり、コロナ禍で出来なかった食堂での卒業立食パーティが久し振りに行われた。山川や一兵ら第59期生は、初参加となった。皆には話していなかったが、山川は新第1大隊長として挨拶をする事になっていた。

 「在校生そして卒業生の皆様、本日はお日柄も良く、旅立ちの日としては申し分無い天候に恵まれました。立食パーティに先駆け新第1大隊長山川つよしが乾杯の音頭をとらせて頂きます。皆様グラスはお持ちでしょうか?それでは乾杯!」

 「乾杯!!」

 「つよしの奴私にも隠してたなんて、どんだけサプライズ感出したいのよ?」

 と言う訳では無く、これは卒業立食パーティの伝統らしく、山川の思いつきと言う訳では無さそうだ。上級生がそう言うのだから、サプライズでは無かった。1200~1500まで行われた卒業立食パーティは卒業生と過ごす最後の機会となった。結局、一兵は野上先輩を探していたが、会話する事はなく終了した。後で知った事だが、話によると、卒業立食パーティへの出席は形式上義務ではないものの、出席するのがマナーとされていた。

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