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王女様を迎えに 1日目

長らくお待たせしました!


「王都から一日で着くわけじゃないんだよね?」


アルファは分かっていながらもフェニックスにそう聞いた。


「当たり前でしょ?馬車で来るのよ。私に乗るのと違って一日で着くわけないじゃない。」

「そうだよねー。なんてったってフェニちゃんに乗ったら遅くても1時間弱だもんね。」

「馬車は遅いわよね……ってフェニちゃんって何よ!」


ノリがいいフェニt……フェニックス。


「3日ぐらいで到着するのでは?」

「まあそうだろうね……遅くても一週間かな……」

「一週間ですか……それで今はどこへ向かっているのですか?」

「二の姫様と合流する予定の村だよ。俺達の村から歩いて2日かかるところにあるんだ。」


そう言うとフェニックスがぶーたれた顔をした。


「遠っ!ねえアルファ……私に乗らない?」

「確かに遠いが言い回しが卑猥だな。」

「えっ?あっ、うっ……そういうつもりじゃ……」


アルファなりのジョークのはずだったが、フェニックスは根が素直なようなので普通に本気にした。


「フェニックスは反応がいちいち可愛いな。抱き締めたくなっちゃう。」

「あ……アルファ!?その……ダメ……じゃないんだけど……ちょっと恥ずかしい……」


フェニックスは恥ずかしそうに顔を赤くしたが、


「まあそれは置いといて、確かにフェニックスに乗って行けば秒で着きそうだね。」


アルファはそう言った。

すると、フェニックスの顔が耳まで赤くなった。


「…っ!……アルファのバカぁ!」

「うわっ……びっくりしたー、もう……フェニックス驚かすなよ……」

「アルファのせいよ!このバカぁ!」

「なんでそんな理f……うっ……何コレ可愛い……何なんだ?この可愛い(未知の)生き物は……焼き鳥か?いや、俺は鶏刺し派……そうじゃなくて!」


そう言うと、アルファはフェニックスを抱き締めた。

あえて言っておくが、アルファに抱きつき癖なんてものはない。ただただテンパっただけである。


「アルファ……えへへっ」


抱き締められたフェニックスは嬉しそうに顔をアルファの胸に擦り付けた。


「はいそこ、イチャイチャしないでください。私も混ざりたいのはやまやまなのです。自重してください。」


エルミアが先生のように注意したが、途中何かおかしな事を言っていた。


「しょうがない……続きはベッドでするか……」

「私って昨日以前にアルファと同じベッドで寝た事あったかしら?」

「待ってください。貴方達昨日出会ったばかりですよね?何、今までずっと一緒にいた風に言っているのですか?」


ツッコミ役がいるのはいい事だと思う。

ベッドの件は決してそういうイチャつきではなく、ただただ一緒に寝るという意味である。


「エルミアは足痛くなったら言えよ。俺が背負うから。」

「え……あっはい……ありがとうございます。」


エルミアがお礼を言うとフェニックスが


「アルファー、私……足が痛くなってきたー」


と言った。

それを聞いたアルファは、


「そうか……それじゃあ抱いてあげるよ。」

「えっ!?アルファ!?私たち会ってからそんな時間が経ってないのにいきなり子作r……」

「そうかー、嫌かー。なら頑張ろうね。」

「アルファの……バカっ!私はかなり真剣に考えてたのに!」

「今のはアルファ様が悪うございます。(ひと)の事言えませんよ?言い方が卑猥です。」

「ん?いやいや待て、そもそも誤解したのが悪くないか?なぜ俺が責められるのか……」

「あんな言い方では誰だって誤解します!」

「それって、そういうことに興味のあるやつ(痴女)しか誤解しないと思うんだけど……まあごめんね……抱っこしてあげるから……」

「もういいっ!」


フェニックスが顔を背けた。が、何かを期待するような雰囲気が醸し出されていた。

それに気づいたアルファは「ふぅん……」と言いながらニコッと微笑み、そして、


ひょいっ


アルファはフェニックスを横抱きに抱えていた。


「あああ……アルファ?ななな何を……」

「抱っこしてるだけだよ?」

「分かってるけど……その……重くない?」

「重くないよ?まるで羽毛のようだ。」

「アルファ……えへへ!!」


フェニックスは嬉しそうな顔でアルファに抱っこされていた。

そうして、アルファとフェニックスがイチャイチャする事2時間。エルミアの目が死んで突っ込むのを諦めてきた頃。

合流地点までにある3つの村のうちの1つに着いた。


「着いたぁ!!!」

「あの……アルファ?人前だとちょっと……ううん、かなり恥ずかしいから下ろしてもらえる?」

「うん?ああ、ごめん持ってる感覚なかったから全然気づかんかった。」

「アルファ……」


フェニックスが熱い眼差しでアルファを見詰める。そんな甘々アツアツな雰囲気に、周りの人間から冷たい冷めたもしくは温かい見守るような視線を受ける。

フェニックスはかなりの美少女なのだ。

冷たい目で見てた人間はきっと頭の中では「イチャイチャするなこのくそリア充め!爆発しろ!!!」と思っているのだろう。


「ここには何があるのかねー?」

「出店があったと思いますよ?」

「そっかーじゃあ荷物置いたら行ってみるかなぁ」


だが、そんな視線をまったく気にしていないように会話を続ける。

そうして会話をしていると、宿に着いた。


「はーい、ここが本日泊まる宿でえぇす!」


今日のアルファはテンションがおかしいようだ。

しかし誰も突っ込まな……


「アルファさんさっきからテンションおかしいですね。子供っぽくて可愛いですけど。」


ツッコミ役はやはり存在したようだ。だがエルミアはやはり言っていることがどこかズレている。


「そりゃ、俺は村からほとんど出たことないし、ほかの町に泊まったことないからな。」

「それは…はしゃぎますよね……」


実際言うと、前世では何度か旅行には行ってたから本当の初めてではないのだが……ないのだが、やはりこの世界に転生してきて初めてなのであえてそう言っておく。


「それに、仲間と行くからな。」


そう、これがアルファをはしゃがせた一番の原因だ。

前世もいつも行くのは一人旅、家族旅行、もしくは任務であったからだ。

仲間とか、友人などという関係で行くなど修学旅行ぐらいであったのだ。無論、修学旅行も真面目キャラすぎて周りからは彼がオタクだったとは知られずぼっちだったのだが。


「仲間……そうですね!私もその仲間でしょうか?」

「当たり前だよ。もちろんフェニックスもねー」

「ん?ナカマ?ナカマって何?」

「ん?」


アルファは頭の中で今なんて言った?という疑問を浮かべた。

当然フェニックスはそれを読み取れる。


「だから、カニカマは知ってるけど、ナカマって何?おいしいのそれ?」


いやこの世界カニカマあるのかよ。というツッコミより先に食いしん坊だなぁと思ってしまう時点でアルファはフェニックス愛末期なのであった。


「フェニックスはくいしんぼ……ごほんっ!フェニックスには同種族とかいないの?」

「いませんよ?神鳥がそんなに多く存在したら世界がおかしくなります!」

「スケール大きくない?」

「それほどの存在なんです!フェニックス様のみで国を無くせるぐらいです」

「なんか思ってたより大したことない気が……」


さすがのアルファも世界がおかしくなると聞いていたので、天変地異でも起こる災害級なのかと思っていたら国ひとつの規模なので、なぁんだという感じで落胆した。が、


「国ひとつを地図上から蒸発させることですよ?」

「そっちかよ!」


思ってた以上に恐ろしかった。


「いままでフェニックス様を怒らせた国は数知れず……どの国も例外なく蒸発してますね」

「ほえぇ……」


と、説明を受けていると、


「そうよ!私の機嫌1つで土地を変えれるんだから、言動には気をつけなさいよ!」


とフェニックスが胸を張って言った。


(そもそも何をしたらこんなツンデレで可愛い神鳥を怒らせることができるんだろ……焼き鳥って言っても怒らなかったし」

「聞こえてるわよ〜」


心の声が漏れてしまってたみたいだった……解せぬ


「そもそも心読めるんだから全部聞こえてるわよ……」


そう言うフェニックスの顔は真っ赤っかーだった。


「あーあ、また始まりましたよ惚気タイムですか」


エルミアは呆れたようにそう言った。


「うぐっ……それでーえーっとなんで私を怒らせたか?だったわよね?」

「うん、初対面で焼き鳥って言われても怒らなかったフェニックスに何をしたら怒らせたのかな〜って」


それを聞くと、フェニックスは


「そうね〜身体目的で近づいてきたり……」

「何そいつぶっ殺していい?」


と、とんでも発言をしてアルファの顔から表情が抜けた。


「安心して、私が(国ごと)殺っておいたから」

「……大事なものはなくしてないよね?」

「ええ、大丈夫よ、心配してくれてありがとう。あとは……力を求めて殺しに来た時とか……国を挙げて討伐しに来たりとか散々な目に合ったわ……その時にちょっと変な魔法を撃たれて全滅させた後、ここでは言えない恥ずかしい状態になってて大変だったわ」


恥ずかしい状態……と言うと間違いなくアレば感じだろう。フェニックスの顔を見る限り確かにあれはキツそうだ。


「攻撃的な魔法には耐性あってもこういったええっと……その……いかがわしい気持ちになって……何かが触れる度に声が出そうになるぐらいの快感に襲われるようなのは初めてだったから……」


そう言うフェニックスは涙目で恥ずかしそうにしている。そんなフェニックスを抱きしめながら


「それは大変だったね〜今度からは俺がいるから大丈夫だよ」


と言った。

それを聞いたフェニックスはもっと赤くなり、内側から焼き鳥になるのではないかというぐらい熱くなっていた。

そう、フェニックスは気づいていないがこれは恋の病である。


「あっでもでもアルファにされる分には平気だよ?」

「それはそれでおかしいんじゃないか?」


いきなりフェニックスはおかしなことを言った。


「アルファは女の子を大切にするでしょ?」

「ん?まあそうだな……」


妹の髪のケアまでするほどの大切にしてます感ある生活をしていたのだ。


「女を道具としてみてる感じだったから……特に私とかって神聖な鳥じゃん?だから私を孕ませてできた子供はある意味では神聖なわけでしょ?私を独り占めできるし、なんか愛されてる感じじゃないのが、嫌なのよねぇ……その点アルファはその女の子個人を愛してる感じかなぁ?よく分からないけど」


それを聞いたアルファの反応


「は?何その男ぶち殺していい?八つ裂きにして豚の餌にでもしてやりたいんだけど」


フェニックスを孕ませると聞いた時点でぶち殺してやろうという気持ちに陥った。完全なフェニックスバカである。


「アルファ、やっぱり優しいね」


この時のフェニックスのエンジェルスマイルでアルファはオチかけた。

そして誓った。この娘は絶対に守ると。


「それに私より弱いのはちょっとね……」

「えぇ……じゃあ俺は無理じゃ……」

「何言ってるのかしら?今は確かに私が強いかもだけど、数ヶ月したら私なんて簡単に追い抜かれるわ」

「俺なんかまだまだだよ」


そこまで強くなっていたとはつゆ知らず、謙遜をするアルファ。


「アルファ、私より強くなっても私を守ってね?」

「当たり前だろ?」


ピンク色のムードに包まれた2人に突っ込めなくなったエルミアは目が死んでいた。


「フェニックス様、アルファさん、そろそろごはんですよ」


そろそろ止めなければと思い、何とか食事の時間であることを告げると、


「エルミア。ちょっとこっちに来なさい」


フェニックスに呼ばれた。


「あっはい……なんでしょうか……」


エルミアはかなりの恐怖心を抱いた。


「エルミア、様付け禁止〜くすぐったくてしょうがないわ!アルファにもさん付け禁止!敬語も禁止!おーけぃ?」


フェニックスの口から出た言葉は意外なものだった。


「いいのですか?」


恐る恐る聞くと


「はい、エルミアアウト〜後でおしおきね?いいに決まってるでしょ?あんたは仲間なんだから」


フェニックスは心底楽しそうに言った。


「あっはい!ありがとうござ……ありがとう!フェニックス!」


心底安堵したような嬉しいような顔になったエルミア。


「うんうん!可愛いわ!そ・れ・と、あんたがアルファのこと好きなのなんてバレバレよ?」


とフェニックスが耳元で囁くと、エルミアは赤くなった。


そうして夜ご飯を食べ、エルミアはフェニックスに揉みしだかれ、その仕返しとしてフェニックスも揉みしだかれ、すっかり仲良くなった2人はアルファを挟むように、抱きつくようにして寝た。


「いや寝れない……けど……2人が仲良くなって良かった……これからもよろしくな、フェニックス、エルミア」


そう言って寝ようとしたが、いかんせん男の子であるので、密着されて悶々としてしまうアルファだった。

なんか途中からあれ?となってしまった(´>∀<`)ゝ

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