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とある世界の片隅に佇む少女
話は十六年前に遡る。
ニナは、アストレアにある小国、
レイピアにあるセザンヌ地方の小さな村、ソフィアに生まれた。
ニナは、そこで、
聡明で思慮深い母カレンと寡黙で無口だが優しい父ロウと共に
慎ましくも幸せな暮らしを送っていた。
ニナには、大好きなソフィアの皆を守りたいという夢があった。
その為に、
当時村で一番強かったカレイドから、剣術を学んでいた。
元々才能があったのか、ニナは教えて貰ったことを、
すぐに吸収し、やがて、村で剣で敵う者は居ない程、上達した。
そして、「剣鋭のニナ」とまで呼ばれるようになった。
ニナには、ライバルがいた。
村長ハルバードの一人娘、エリー=クレール。
彼女もニナと同じ夢を持っていた。
エリーは、ニナとは考えが違っていた。
ニナが攻める力を求めたのに対し、エリーは守る力を欲した。
エリーは魔法の才能があった。
その才能をエリーは余すことなく、防御魔法に注いだ。
その結果、守りで右に出る者は居なくなり、
「守護のエリー」と呼ばれるようになった。
二人は様々な形で衝突した。
もっと、自分を高めたいから。