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死んだ町
町に出ると、並ぶ古風な建物に私のテンションは恐ろしいほどに跳ね上がった。
「すごい!こんな感じなんだ!うわー!」
興奮して走りだしそうになる私の襟元を皇さんが掴んで止める。
「落ち着け。この世界には、たくさんの奇人、狂人がうろうろしているんだ。死にたくないなら静かに俺について参れ」
「は、はい」
よく見ると、町は活気が無くがらんとしていて人気が無い。町全体が死んでしまっているかのような冷たい空気が流れていた。
どこか、気味の悪く薄暗い通路などを通り過ぎたあたりから急に怖くなって私は身震いした。
「狂人とやらのせいでこんなに死んだ町になってるんですか?」
「まあ、そうともとれるが、男が皆殺しあう世だからな。女は恐怖心から日中も外に出ない」
「うわ……」