5/11
月明かりに照らされて
「とりあえず、落ち着いたら寝ろ。明日からまた、大変だからな。時雨」
ふっと皇さんはろうそくに息を吹きかけ灯りを消した。
時雨、新しく与えられた私の名。
新しく決められた私の人生。
賭けてみたら、面白いのかもしれない。
この運命に、身を委ねよう。
電気もない世界、ただぼんやりと月明かりがきれいに街を照らす。
さっきまで眠っていたからか、目がさえわたっていたが無理やり目を閉じて布団にもぐった。
寝返りを打ちながら考え事をするうちに眠たくなって、眠りに落ちた。
「ふふっ。面白くなってきたじゃない」
黒い影は、まだ遠く。