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皇さん、ナイスです
「女、だろ?」
つり上がった鋭い目にぞっとしてあとずさりしたくなる。
「俺は、男だ。な、なあ皇さん?」
「ははは。もう、いいんじゃないか?」
皇さんは、少しあきれたみたいに笑った。
そして、私を軽く引き寄せると爽やかに笑った。
「時雨は、事情があってな。俺が預かっているんだ。両親が幼いころに亡くなってな。自分を守るために男として生きているんだ。」
皇さんの行動に赤面する私と何故か元狂人。
「そ、そうなんですね」
(皇さん、ナイスです。ありがとうございます。)
ほっとして肩の力を抜いた。
「そうだ。詳しい話を聞きたいから、近くで一服茶でもどうだ?」
「は、はい!」