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何で私が転生したの?
「えっ、ここどこ?」
目を覚ますとオフィスの面影なんか無くて目の前にあるのは町家の屋根と行灯のみだった。
不安になる一方で、私のテンションは跳ね上がっていた。
「うわ、この行灯本物!?凄い!」
行灯があることや周りにあるものから考えるともしかして幕末へタイムスリップしたのかもしれない。
浮ついた気分で鏡台をのぞき込むと知らない女の人が映っていた。
「誰……?」
私は背が低く、一重の重たい瞼がコンプレックスの社畜だったはずなのに鏡に映る私は背が高い美人さんだった。
もしかして、これって転生ってやつ?
背中に冷たい汗が伝った。