性格
昔。学校の進路指導のための性格判断テストなるもので、『あなたの性格は矛盾があります。判定ができません』と、評価されたことがあります。
積極的な自分と消極的な自分が、常にコロコロ入れ替わるような、人なんですね。
でも、その矛盾って、多かれ少なかれ、どんな人も持っているのではないかな、と思うのです。
それに、他人の評価と自分の評価は必ずしも一致しないですしね。
竹を割ったような性格にみえる方が、『言いたいことは半分も言っていない』と言っていて、『このひと、どれだけ言いたいの?』と、思ったことも。
まあ、実際の人間は矛盾があってあたりまえですし、見えない面とか見せない面とかあって当然なのですが、小説の場合は、矛盾があると、混乱します。
性格はひとつの大事なファクターなので、それが変化するには理由がないと納得がいかないですし、そのキャラクターがどんなキャラクターなのか見失ってしまいます。
二面性がある場合は、それなりに理由というか、エピソードが必要です。
また、小説を書く時、キャラクターは、ほぼ自分の切り売りなので、自分に全く理解できないキャラクターは、書きにくいと思われます。
理解できないことを逆手にとって、理解できないまま貫くという方法はあるかもしれませんけれども。
さてさて。TRPGをやっていた時に、キャラクターを演じ分ける私なりの『コツ』としては、「性別」「能力」「職業」から、想像される『性格』や『生い立ち』を作ってしまうことでした。
古いゲームは自分でそれをやることが多かったのですが、割合新しいタイプのTRPGのシステムとかだと、キャラメイクの時にそれらも「つくる」プロセスがあったりして、私などは逆に変な縛りが鬱陶しいと思ったりも致しました。
小説を書くときは、あまり能力値まで決めることはないのですが、性別、能力、職業に社会的地位を決めて、『ストーリーの何を担うか』という点さえ決まっていると、わりとすんなり思考が展開できます。
もっとも、初心者が最初に書くとしたら、やっぱり自分と思考回路が似ている、できれば同性の主役から、始めるのが、無難でしょうね。そしてできれば身近なお話が良いと思われます。
少なくとも、『初めて書くのだけど』と相談されたら、私はそう答えます。
とはいえ。
自分が書きあげた最初の長編小説は、男性が主役で、しかも和ファンタジー。
人間、書きたいものと、書きやすいものというのは、なかなかに一致しない……そんな気がいたします。
最終話は本日20時に更新します。