日本の夏
六月の末は、日本の神道では『大祓』といって、とても大切な浄化の儀式が各地で行われました。
夏の暑さ、暑さからくる疫病など、そういったものを『祓う』ための大切な儀式。
いわゆる花火大会も、もともとは暑気払いの意味。
最近の殺人的な暑さほど暑くはないとはいえ、エアコン、扇風機のない時代の夏の暑さというのは、身体の弱い病人にはとてもきついものでしたでしょうし、冷蔵庫がなかった時代には、何より食物の腐敗も早く、大変だっただろうなあと思います。
確か石川英輔先生だったと思うけど、日本で石畳が整備されなかった理由は『日本の暑さ』とおっしゃっていました。
日本に石畳の技術がなかったわけではないのは、旧街道でところどころ石畳が整備されているのを見れば明らかです。
技術があるのに、整備しなかった理由は、間違いなく『暑い』から。
石畳は、土に比べて、暑いです。
さらに、日本の暑さを厳しくしているのは湿度の高さもあります。
カラッとしていない暑さというのは、汗も出にくく、当然、体感温度が上がります。
家が木造なのもそのせいですね。もちろん、地震の多さ、というのもありますが。
それから、蚊なども多い季節で、とにかく寝苦しい。
そうそう。蚊やり火という風習もありました。いぶした煙で蚊を追い払うものですが、蚊取り線香があったわけでは、ありません。
蚊取り線香は日本で開発された世界に誇るべき発明品ですが、これは明治に入ってから、除虫菊が日本に入ってきてからのものだそうな。
これから夏本番。過ごしやすいとはいいがたい、酷暑な日本。
エアコンに頼るなと言われても、頼らなければ熱中症になってしまうような、厳しい暑さ。
冷たいものを食べすぎれば、お腹を壊しますし、夏バテの元ですが、熱い料理を食べたいかと言われると、やっぱりちょっとしんどい。
夕涼みに外に出ても、最近は室外機の排出する熱のせいか、いつまでたっても気温は下がらない熱帯夜。
ホラーなどで涼を得るのも一興ですが、暗闇が恐くなる可能性もありますので、余計に睡眠不足になったりしないように気をつけたいですね