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深く作って、浅瀬で書く

 はじめて、『スレイヤーズ!』(神坂一先生)を読んだ時、スゴイと思いました。

 何がスゴイって、一見ざっくり作ってあるようにみえる軽い世界が、意外と奥深く作り込んである。

 ノリだけで進んでいるかのような力押しのリナは、実はかなり知性派。

 ストーリーは、軽いようで、骨組み的にはしっかりしているから、書こうと思えばシリアス展開にも耐えうることが出来ます。衝撃でした。

 読みやすい軽い小説でも『スカスカ』と思われないものは、実は深いバックボーンを持っていることが多いです。

 

 ファンタジーなどの作品などの場合、『通常とは違う』部分を作っていくわけですが。

 テンプレ小説が叩かれがちなのは、『通常とは違う』部分が、ひとからの借り物であったり、矛盾点があったりすることが多いからです。

 だからと言って、設定がしっかりしていてストーリーが重厚だったりすると、とっつきにくいものになりがちで、ネット小説の場合は、熱狂的なファンはついても、よほどの実力者でない限り、なかなか新規の読者様は増えにくい。

 大切なのは、『深く作って、浅瀬で書く』なのではないかと、最近思うようになりました。

 家庭料理で言うならば。

 餃子を皮から作ったにしろ、市販品で完成品をただ焼いただけにしろ、食べる段階では、ただの餃子です。そして、焼き餃子に関して言うならば、『庶民の日常料理』の枠であり、すき焼きやステーキのようなご馳走に見てもらうことはありませんし、『手軽な家庭料理』にしか見えません。どんなに手間暇かかったにしろ、です。それが嫌なら、餃子を選択するのは間違いです。

「今日はね、皮から作ったの」

 などと言いたい気持ちはめちゃくちゃあったとしても、ここは黙って、ただ皿に盛るのです。

 一口食べれば、『あ、これ、違うわ』と、たいていの場合、なるわけです。

 まあ、なかには、『市販品の方が美味しい』などというけしからん家族はいるかもしれませんが、よほど破壊された料理でない限り、手作りの方が美味しいはず。(もっとも、高級な市販品の場合はアレですが)

 間違っても、口にする前に作る過程の大変さを語ってはダメ。うんざりされる可能性があります。

 大衆向けというジャンル選択をするのであれば、ある意味で高級品に見えないことは覚悟しなければいけないし、手軽に読んでもらえるからこその大衆小説です。

 これは、ライトノベルだけでなく、一般小説にも言えることだと思います。

 

 とはいえ。作った設定は、出来るだけ出したいのが人情。

 その場合、作り込んだ設定をウンチクではなく、わかりやすい形で提示するような表現力が必要なのかなあと思います。


もちろん。いつものように、私は反省室にこもります。

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