ご都合主義と様式美は違うもの
5/22の活動報告に書いたことのまとめのようなもの。
様式美を踏まえた作品と、ご都合主義の作品は、結論は一緒でも、同じではないと思うのです。
その線引きは非常に難しく、受け取り手によってもかわってくるとはいえ。
書き手としては、『ご都合主義』より、やはり『様式美』にこだわりたいですね。
よくある、爆弾の配線、赤を切るか、青を切るかみたいなシーン。
主人公は二分の一の確率で、『正解』を当てる。
これは、ご都合主義?
迷いもなく、あっさり切ってしまったら、ご都合主義と言われるかも。
でも、たとえば、彼女との思い出の色とか、ゲン担ぎとか、迷いに迷った末での決断なら『様式美』なのです。
まあ、現実には、爆弾の配線がそんなに単純なわけないだろうとか、ツッコミどころはたくさんありますが。
現実はとてもつらいことが多いから、お話の中だけでも、うまくいってほしい。
そして、商業小説をめざすのでなく、趣味の小説ならなおさらのこと、書き手として主人公たちには幸せになってもらいたいと思うのは、書き手としての人情ですものね。
ただ、間違えてはいけないのは『様式美』は、悲喜劇両刀です。
ロミオとジュリエットが添い遂げられないのは、悲劇の様式美にのっとっています。
主人公が自己犠牲で世界を救うようなお話は、『リアル』を求めた結果と言うより、『悲劇の様式美』にのっとったケースの方が多いと私は思います。