昭和ロボットアニメ
昭和の日企画 の番外編です。
鉄腕アトムは、1963年(昭和38年)にモノクロで放送されました。
その後何回かリメイクされていますが、日本のアニメ史だけではなく、日本のロボット工学研究にも多大な影響を与えたといえる作品です。
アトムだけでなく、手塚作品全体に言えることですが、『頑張れば、豊かになれる』。そんな思想がどこか時代に流れていて、逆に言えば、まだまだ貧しかった日本人が、豊かになりたいと足掻き、夢を見ていたことがわかります。
ロボットアニメ『機動戦士ガンダム』は、1979年(昭和54年)の作品ですが。こちらも、日本のアニメに革命的な変化をもたらした作品。
いまや日本のアニメは『子供のもの』という枠組みを飛び越えていますが、そのきっかけを作った作品と言っても過言ではありません。娯楽作品としての格好良さを維持しつつ、戦争というものの美化を控えて現実味を加えた作風は、かなりセンセーショナルなものでした。
日本人がスペースコロニーをイメージしやすいのも、この作品の功績かもしれません。
アニメ史的には影響は小さい作品ですが、ファンタジーブームに先駆けた、ある意味「新しすぎた」作品といえば、「聖戦士ダンバイン」1983年(昭和58年)の作品。
バイストンウエルという異世界に『転移』した主人公がロボットで戦い……最後には、異世界からロボットごと東京に『転移』するという……しかも、妖精一人残して、最後全滅シナリオとか……いえ、いろんな意味ですごい作品です。
この作品、日本のファンタジーブームの火付け役『ドラゴンクエスト』1986年(昭和61年)より前ですからね!
なろうでは、『転移』ものは現実逃避、なんて厳しいご意見をおっしゃる方をみかけますが、『ダンバイン』に関して言えば、現実よりはるかにキビシイ転移ものです。
確かに、主人公は俺TUEEですよ? でもねえ、作品中盤で、転移して実家帰ったら、村八分で、敵と一緒に異世界に帰るしかなくなり……ラスト近くの再びの転移の時には、両親、引っ越して所在不明でしたから。
あれは、衝撃でした……。
もはやアトムの生まれるはずだった、21世紀になりました。
子供たちに科学の夢を見せてくれた昭和のロボットアニメ。
平成の世も終わりが近づいた今、新しいロボットアニメはどんな科学の夢を育てるのかな、などと思いつつ、未だ昭和アニメから離れられない私であります。