輸送
今回は輸送について。
離れた土地と土地を結ぶ、『輸送』。実に大事なものであります。
この輸送を円滑にするために、国家は街道を整備したり、港を作ったりするわけですね。
かつて、欧州ではスパイスを求め、大海原へと漕ぎ出したように。
遠隔地の産出するものを得るために、ひとははるかな土地を目指したりいたしました。
珍しいものは、利益を生みます。ゆえに、輸送に伴う天然災害、山賊、海賊などの盗賊の被害などのリスクを背負ってでも、貿易というのは行われました。
また、利益を生む貿易拠点というのは、昔から軍事的な要所でもあり、その『場所』を得るために、人々は戦争を繰り返したりしたわけであります。
ファンタジーで、よくあるパターンですと、『隊商』の護衛として輸送にたずさわるというお話が考えられます。
何を輸送するのか。誰が狙うのか。どこで、どう襲撃をされるのか。どこへ運ぶのか。
それだけで、物語が一本出来上がるほど、お話として作りやすいパターン。
実際、私はTRPG時代に、ものすごく使ったシナリオパターンです。しかも、どこにポイントを置くかで、バリエーションも実に豊富。
この輸送を襲うパターンも、ファンタジーなら、幌馬車系ですが、西部劇だと大陸横断鉄道だったりするわけです。
船なら海賊。航空機の場合は、ハイジャックとなってしまうので、ちょっと種類が違うかもしれませんね。
夏に氷を山から運ぶとか、初ガツオとか、昔からコストをかけた季節的な輸送というのは、利益を生みました。
日本人は、『旬のハシリ』というのが大好きなので、季節感の乏しくなった現代でも、『初物』は高価に取引されます。
タケノコなんて、『日本でとれない』時期から輸入で先取りする料理屋もあるとか。そんなのを聞くと、先取りって言っても、限度があるのではないかと、ちょっと思ったりしますが。
さて。
日本では馬車が発達しなかったので、(牛車は、廃れた)『複数の人の長距離輸送』というのは、陸路に関しては、明治以降の列車や自動車を待たないといけません。
籠なんて、人力ですしねえ。
そういえば、幕府が防衛の為に東海道の大井川に橋を作らなかったために、川を渡る大名行列はとてもたいへんだったようです。
山が険しくとも、渡川しない中山道を通る旅人がいたのも、納得。
もっとも、宿代も中山道の方が安かったらしいですが。




