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焦点を絞る

 ちょっと自分語りになってしまうのですが。

 その昔、ペルセウス神話をオリジナルヒロイックファンタジーとして焼き直しをしようと試みたことがありました。

 で。挫折。

 先日、そのリベンジで、一応、完結まで持っていくことができたのですが。

 

 今と、昔の自分の、一番の違いというのはなんなのか。

 たぶん、『焦点を絞る力』なのではないか、と思うのです。

 とにかく、昔の自分は、遠足の作文を書こうとしたら、朝、家を出る前の準備から家に帰るまでを書きたくなるような人間で、『どこが楽しかった』とか、『何が良かった』とか、全く伝わらないものを書くようなタイプでした。

 当時の自分には、そのすべてが輝いて見えていたといえば、聞こえは良いのですけれどもね。


 前述のペルセウスに関しましては、一応、セリーポス島に着くところからはじめまして、島の情景描写、のんきな漁師生活などなど延々と描写して、王に謁見するくらいに、既に息切れ(こらこら)。アテナの神託をもらう頃にはすっかり飽きてしまい、挫折したという……。原稿用紙で20枚くらい8000字程度は書いたと思う。

 今回自分が書いた作品は、ほぼ千字程度で、王の謁見がすんでしまいました。

 というか、全編通して14,000字程度。うん。昔の自分、何を書いていたのでしょうと、首をひねりたくなります。残念というべきか、幸いというべきか、当時の原稿は残っていないので、検証することはできませんが、おそらくどうでもよいことをウダウダ書いていたに違いないと、確信してしまいます。


 小説を書くとき、大切なのは『流れ』と『勢い』だと思うのです。

 そして、その『内容量』に相応しい『長さ』を見極めることも大事。

 もちろん、これは好みもありますので何が正解というものではありませんが、読み手としての私はかなり短気なのかなあと、最近思うようになりました。

 ゆえに、書き手としての自分も、ストーリー展開がわりと早いかもしれません。

 実際は、短気というよりは、『焦点』がズレルのが、怖いのです。

 長く書けば、脱線が多くなりますからね。収集がつかない状態に陥りやすいです。ゆえに、割と最短ルートでサクサク進むという作品ばかり書いている気がしますし、そうするようになってから、話が完結させやすくなりました。


 もっとも、短くするのがベスト、でもないですよね。

 半村良先生の『戦国自衛隊』。

 あれを最初に読んだ時、『短い! 展開速いっ! もったいない』と思いました。

 よく見ると、そこそこに分量はあるのですが、ダイジェスト版のようにサクサク進みすぎて、物足りなさを感じた作品でした。

 映画、戦国自衛隊は、そのへんにボリュームを持たせようとしてましたが……うん。いや、あれはどうかな? と、私は思います(個人の感想です)


 物語の『焦点』を絞って、それにぴったりの濃度で表現する。

 それは、本当に難しいことだなあと思います。


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