年齢別の口調書き分け
今回は、年齢によるキャラの書き分けでございます。
よくある「でしゅ」や「じゃ」を封印して、幼児と老人を書けるのか、なんて考えてみます。
さて、幼児の言葉の特徴(未就学児)は『さ行』などの発音が悪いので、『でしゅ』など多用する書き手さんが多いですよね。ただ、絵本や児童文学の世界で、幼児が「でしゅ」って話すのって考えるとあまり見たことがないような気がするのです。
幼児というのは、すらすらと会話するイメージがありません。もちろん達者に言葉を紡ぐ幼児はおりますけどね。幼児の特徴は、『語彙の少なさ』『世間の狭さ』『ぶっ飛んだ思考』です。
将来なりたいものに「たこやき」とか言ってみたりする、信じがたい思考が、非常に子供らしい。
(わざわざ大人が考えると、わざとらしさが鼻につくので注意すべきですが)あとは、文法や言葉の使用法の間違いなんてのもあります。気にいった言葉をとにかく使いたがるとかね。
老人については、方言を使うイメージがあるので、語尾を方言風にするというのが定番。
一般的な老人の会話の特徴としては、歯がなくなると空気が抜けるため、滑舌がわるくなります。あとは、繰り言が増える傾向がありますね。一周回って、戻ってくるとか。
子供は早口が多く、年寄りはゆっくりが多い。これは、身体の動きと連動するのかもしれません。
ここで実験。『結衣』から『仁志』へ、5歳から70歳までの愛の告白シーン(笑)を書いてみます。
5歳
「ゆい、ひとしくん、すき」
10歳
「アタシ、仁志くんが、好き」
15歳
「私、仁志くんが好きです」
20才
「私、仁志さんのことが好きです」
70才
「私は、あなたが好きですよ」
うーん酷い(苦笑)年齢、書き分けてますでしょうか? なんか、ごめんなさい。
気をつけてみたのは、その年代の女性と男性の距離感です。
うまく書けてはいませんが、年を取ると男女の距離は、線を引いたものに変わっていくと思うのですね(そうじゃない関係ももちろんありますが)
この実験会話はともかくとして。
小学生の場合は、できるだけ語彙を少ない(平易な語彙)感じにして、わりと単純な思考をする。
考えてみると、一番難しいのは中学生。中学生っていうのはほぼ宇宙人。思考にルールがない(苦笑)
高校生を越えれば、もはや大人と変わらない思考で会話します。多少、世間知らずではありますが、個性として処理できないものではありません。
さて。
語尾の決まり事を使わずに、老人を書くということを自作でやってみたのですが、『個性』として描くために、記号的に描けませんから大変難しいことがわかりました。
年齢というのも、一つの個性だと言えますから、単純にこの年齢の人はこう話すという決め事で書くのではなく、そこにある個性として会話を作っていかないといけないのですが、難しいです。
個性をいくつも立たせるって、本当に難しいことだなあと思います。
難しいという結論だけぶつけて、私は隠れます(苦笑)
できれば、みなさまの年齢書き分け方法をぜひ、感想欄にお願いいたします。