吸血鬼と狂犬病
いつもありがとうございます。
超マジで書いたので、読むと疲れるかもです。すみません。
血液というのは、古くから『命の根源』と思われていました。
ですから、吸血鬼というのは、古今東西、死者が血液を得て『蘇る』というイメージが強い幻想生物でありまして、グールやゾンビとイメージの混同の多い(というか、ある意味同種)のものであります。
ただ、今回は、吸血鬼そのものの考察ではありません。
『吸血鬼』によく似た症状を持つ『狂犬病』であります。
狂犬病というのは、日本が世界でも実は珍しい清浄国であるため、『過去の病気』のような印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在も治療法が確立していない世界中で蔓延している恐ろしい病気です。
何が怖いかというと、狂犬病と書きますが、実際は『哺乳類』すべてに感染します。実際に日本で最後に狂犬病が確認されたのは、1957年のネコであります。ただ、人への感染はほぼ犬からでありますので、日本では犬の飼い主は必ず予防接種をすることが法で定められております。
意外、と思われるかもしれませんが、先進国でも狂犬病はあります。
哺乳類すべてにかかりますので、野生動物が感染している場合、撲滅が非常に困難なのです。
さて。狂犬病は、基本、『噛まれて』感染します。潜伏期間は噛まれた場所によるそうです。
発病すると、水が怖くなり、風の動きに過敏になり、瞳孔反射が弱るので、光を嫌います。興奮性、麻痺、精神錯乱などがありますが、意識はあるらしいです。発病して一週間くらいで、全身が麻痺。昏睡状態に陥り、呼吸障害に陥って死亡に至ります。
(いずれにしても発病より前に、ワクチンを接種しないとほぼ、死にます)
ちなみに。中南米では、『チスイコウモリ』が狂犬病の感染源のひとつであります。
前に『チスイコウモリ』は、欧州の吸血鬼と関係ないと書きましたが、大航海以降、コウモリ=吸血鬼、吸血=うつるというイメージに、非常に貢献? したのは、この狂犬病もあるのではないかと思います。
一般的に吸血鬼は、流水が苦手、光を嫌うとされております。
もちろん、ニンニクとか、鏡に映らないなどもありますが、これは、まあ、別として。
何かに噛まれた人間が、水を異常に怖がったり、人が変わったように凶暴になったりして、しかも光を嫌うようになったとしたら、『吸血鬼』扱いされてしまうこともあるのではないのかな、なんて思うのです。
狂犬病患者は不死者ではなく、人間です。病気です。
しかし、ウイルスというものがはっきりと認識されなかった時代には、死に至る恐ろしいこの病気がモンスターと同列に扱われても不思議はないですし、小さな社会を恐怖に陥れることは簡単だったのではないかな、などと思います。
※狂犬病はヒトからヒトへは、ほぼ感染しないとされています。
海外で、動物に噛まれたら、消毒洗浄をしたのち、はやめに医療機関へ行きましょう。