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会話

 小説の会話文というのは、説明に使ったり、ギャグに使ったり用法はいろいろあります。

 私は、TRPG出身者であるので、情報を得るシーンは、どうしても会話で説明してしまいます。

 それが、良いことか悪いことか、判断はつきませんが。

 TRPGの場合、情報と雑談は、はっきり分けて会話する傾向が高いのですが(雑談が微妙な話だとプレイヤーが勘違いして、あさっての方角を探り始めるので)小説の場合は、できれば、雑談から情報を引き出す方がカッコイイです。

 探偵さんは、何気ない日常会話から、事件のヒントをつかむ、アレ、です。

「ああ、あの子、朝早くから、ジョギングして感心だよね」

 こんな感じの会話から、『あの子』は、早朝、頻繁に外出している、という情報が得られます。

 これは、ある推理小説で、恋人同士の密会の証拠を警察がつかんだセリフ。密会は、夜という既成概念から、会社や友人周辺を探っていてもどうしてもわからなかったのだけど、早朝に密会していたというオチ。

 大切な情報を、雑談にからめて出すということの利点は、『その場で気が付かない』ゆえに、ここぞというときに『ひらめき』として使える、つまり、伏線になるわけです。

 なかなか、これは難しいテクニックで、私はうまく使用はできませんが。

 もう一つの利点は、地の文で説明するよりも、やわらかく、『読みやすく』感じやすい。

 ただ、一人称小説の場合は、主観を入れて書くことが出来るので、会話で書くとただ長い印象を受ける可能性はあります。これは演出のところでも書きましたが、何が正解というものではありません。


 さてさて。小説の場合、声音、トーンが伝わりにくいので、セリフだけで感情が伝わらないことがあります。

 たとえば。

次の「おいしそう」という男性のセリフ。

 

「うん。上手に出来た!」

 沙紀は、嬉しそうに、かぐわしい香りのビーフシチューをお皿によそった。

 こたつに座っている保に、皿を渡そうと、沙紀は腕を伸ばす。

 沙紀のシャツは大きく胸元が開いていた。

 無防備な開襟シャツから、白い豊かな谷間がのぞいている。

「おいしそう」

 保は思わず、ごくりと喉を鳴らした。


 さて、保くんは、何をおいしそうと思ったのでありましょう(笑)

 正直、この場合は、何でも良いわけなので、好きな解釈をしてくださいませ。

 こうしたシーン、本来なら『何』が目的か明記すべきなのですが、あえてボカシてしまうのも、面白さではあります。

 こうした微妙な会話を登場人物も理解できなくて迷うところから、物語を作っていくこともできます。

 ラブコメとかの定番テクニックです。

 上手く使えば、甘いセリフを連発しながら、全然甘くないシーンが書けます(誰得?)


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