仕掛けは使うものです
いろいろ想うところはあるけれど、短編にしない私はヘタレであります。
ほんの少し前、エッセイで『異世界』たたきやら、「テンプレ」たたきがありました。
まあ、異世界を叩く人をはじめてみましたが、テンプレは昔からよく叩かれております。
ただ叩くのは論外ですが、テンプレを真面目に考察する作品なんかは、私も好きで、よく読みます。テンプレ書いている人より、よほどテンプレと真摯に向き合ってますから。
まあ、それはさておき。
みなさまCM業界の鉄板は『子供』と『動物』って、聞いたことがありませんか?
なろうにおいて、この『子供』『動物』っていうのは、『俺TUEE』だったり、『ハーレム』『悪役令嬢』だったりすると思うのです。
なろうは、『ネット小説』であります。
来る読者の多くは『隙間読書』の『ヒマつぶしの気分転換』を目的に作品を捜しますから、重厚な作品より、軽妙で楽しい作品が好まれます。
このあたり、CMと製作意図は似ていると思います。ネガティブな内容は、あまり求められていないのです。
なろうで、不人気ジャンルで、しかも非テンプレというかたは、たぶん、無名のタレントで有名ロケ地にも行けない、製作費ダウンなCMを製作するスタッフと心境が似ています。
テンプレ、人気ジャンルという方は、有名ロケ地で『子供』や『動物』を使ったCMをつくっていると仮定しましょう。
さて。
CMでも子供や動物を使えば、かならず『当たるか?』と問われたらそうではありません。
テンプレだって同じことです。
間違えてはいけないポイントとして、テンプレというのは『書く』ものではなく『使うもの』です。
『ハーレム』だって、『主人公最強』だって、作品のしかけのひとつであり、作品そのものではありません。異世界転移/転生だって、同じです。『転移』を『書く』のではなく、物語の中に『使う』ものなのです。
CMで子供を使ったとしても、宣伝の内容は子供タレントのプロモーションビデオではないのと同じなのです。
これを理解して、テンプレと向き合わなければ、テンプレという道具に振り回されるだけに終始します。
余談になりますが。
動物CMが鉄板と言っても、たいていは哺乳類が主であります。しかし、昔『エリマキトカゲ』が疾走するというCMが一世を風靡したことがありました。(若い方はご存知ないとは思います)これを、動物は当たるから使ったとは、誰も思わないと思うのですね。
テンプレだって、非テンプレ以上に、独創的な視点で作られていることがあるという、そういう例だと思います。
さてさて。製作費ダウンなCMがダメかといえば、そんなことはありません。
地方CMなんて、結構、そういった状況で作られた名作CMがたくさんあります。
思うにね、非テンプレの人も、王道派と、完全独自路線に分かれると思うのです。
王道派の方は、やっぱり、テンプレと同じように、定番なしかけに振り回されていないかどうか見なおすべきですし、独自路線のかたは、逆に大衆に理解されやすい表現方法を考えるべきで。
使う仕掛けが悪いとか悪くないとかでもめるより、そっちの視点の方が大切なんじゃないかなあと思ったりするわけです。
先日感想欄で、読者様とお話していて思いついたことを書いております。
金野様 事後承諾になってしまいまして申し訳ありません(平謝り)が、先日のお話から一本書いてしまいました。
いつも本当にありがとうございます。




