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演出

 今回のテーマは演出。

 映像系では、特に重要視される『物事の見せ方』についてです。

 古い映画ですが、『ゴットファーザー』(1972年 米)という映画をご存知でしょうか。

 私は、あの映画のテーマソングって、スゴイと思うのです。退廃的で、けだるく、それでいて、豪華な、ゴットファーザーの世界を、あの音楽一つで演出しています。

 映画において、テーマソングやBGMは演出の大事な小道具の一つですね。

 残念ながら、小説は、BGMを使えませんので、周りに漂う空気感も含めて、すべて文字で表現していくことになるわけです。

演出は、文章力にひっくるめられてしまって語られることが多い気がいたしますが、『物の見せ方』というのは、表現のアプローチの方法ですから、やっぱり文章をつづるという技能とは別の技術なのかもしれないと最近思います。

 たとえば、少年と少女がデートで手を握るシーンでも、少年の手が少女の手に軽く触れてから遠慮がちに握るのと、ギュッといきなり握るのでは、少年の感情が全然違うわけです。


 また、同じ、『狼を退治する仕事』を請け負うというシーンで。


1)冒険者であるAは宿屋の親父から狼退治を請け負った。


2)「やあ、オヤジ、仕事はないか?」

 「お前さんが出来る仕事ね……狼を退治する仕事ならあるぞ」

 「へえ、いくらになる?」


1)と2)は、結論的には、ほぼ同じになるシーンです。


ただ、これは、どちらが正解というものではありません。一行で済ませば、すぐに狼退治にサクサク進みますし、会話のほうは、きっとこの後、装備品を整えるとか、狼退治の準備シーンなんかがでてきそうなくらい、ゆっくりとした進行が想像されます。


 このあたりの演出技術というのは、構成技術と重なりますので、その小説にあった方法を選択するのが良いのですが、これが、実はなかなか難しいですね。

 地の文で語るのが良いか、会話を使うのが良いか、人物や視点を変えてみるのが良いか。

 ひとつの出来事を語るアプローチの方法をいくつも考えていく、それが小説においての演出なのかなあと思います。


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