大根を買いに行く
今回はお遊び号外。
昔、友人と『発想』の訓練として、『大根を買いに行く』という話をしたことがあります。
なんのこっちゃ、ですよね。
これは、主として『TRPGのGM』用の自分なりの訓練法なのでありますが、たぶん小説の発想訓練にもなりますので、初心者のかたはお試しを。
『大根を買いに行く』というこのワンフレーズで、どんな話を連想するか、とか、何を考えておくべきかというのを考えるのが目的です。
決まっているのは、主人公は、大根を買いに行く。この一点だけです。
決めるべきこと。
1)動機。 おつかい、もしくは、『晩のおかず』というのが、定番。
2)主人公の家から、八百屋までの地図。
3)八百屋の品ぞろえ&大根の値段
4)八百屋の人柄
こんなことが決まればたいていお話は作れます。
ここで、主人公が、幼少のお子様だったとすれば、ストーリーはいわゆる『初めてのおつかい』です。
家から、八百屋までの間に、様々なお店が子供を誘惑します。お友達が現れることもあります。お金を落としてしまったり、道に迷ったりもするかもしれませんね。
主婦が主人公だったとした場合。
八百屋との値切りの駆け引きがドラマになるかもしれません。
場合によっては、八百屋の親父と不倫な関係だったりして、複雑にアダルトな物語なのかも。
いやまた、主人公と八百屋は、腕利きのスパイで、大根は作戦名を意味しているかもしれません。
応用編として、大根そのものが『普通』じゃない場合、壮大な冒険が待っている可能性もあります。
「伝説の大根」を目指し、魔界を無双し、『伝説の大根を売っている店』にいくという、ほぼこじつけのようなお話だって可能です。
推理小説展開なら、大根を買いに行って、殺人事件に巻き込まれるというのもありえます。
おまけの小話。
八百屋の親父『君の買いたい大根は、青首大根? 守口大根? それとも桜島大根?』
主人公『いえ、僕の買いたいのは、実は三浦大根です』
親父『すまぬ……三浦大根は、今、手に入らないんだ……』
主人公『何故です!』
親父『それには、深いわけが……我々も困っているのだよ』
などと、バカバカしく別の話を展開させるという、ことも可能です。
一つのパーツでいくつもお話を広げる訓練をするのは、なかなか面白いと思うのです。
お暇な方は、一度、遊んでみてください。
壮大なストーリーが思いついた方はぜひ感想欄へ(^^)




