臭覚
いつもありがとうございます。
号外です。
※ちょっとだけ、不快表現アリ。注意願います。
人間の感覚でおそらく一番『慣れ』というものが存在しない五感―ーそれは、『臭覚』だと思います。
というわけで、今回、念のため、お食事前の方と、お食事直後の方は、ご遠慮ください。
残酷表現まではしませんが、チョイ、不快表現アリかもです。
警察関係の方や医療関係の方なら、よくお分かりになるかと思うのですが、人間って、『視覚』は結構、慣れますよね。たとえば、解剖の画像なんか、そうそう見たくはないケド、慣れってあると思います。
ところが。
「臭い」ってなれません。
仮に。畜産農家の方が、糞尿の臭いに慣れるかどうかって聞かれたら、たぶん、答えは『ノー』だと思います。
臭いものは、臭いのです。
まあ、ある程度の臭い、例えば、自分の身近な人の加齢臭やら、ペットの体臭くらいなら、慣れってあるとおもいますけれども。
たぶん、『臭覚』というのは、『食欲』に直結する感覚だと思うのですね。
猫など、鼻がつまると、みるからに食欲が衰えます。
私達は、料理など『美味しそうな』視覚情報以上に、食材からの香りを大事にします。
(例外として、クサヤとかブルーチーズ、鮒寿司などの、独特な臭気を持つ発酵食品があります)
やはり、『食べてもオッケー』という食材というのは、本来、『誘う』香りがあって、『嫌』と感じるものというのは、『食べたらまずそう』という情報を提供しているわけです。
小説の場合、映像表現と違い、『視覚』情報以外から、体感情報を伝えることが出来ます。
逆に言えば、圧倒的視覚情報を持つ『映像』作品や『漫画』などに、勝てる唯一の武器、それが、『視覚』以外の四つの感覚をフルに生かせるということであります。
『聴覚』は、甘い息づかいから、激しい剣戟の音まで、使わない書き手さんは皆無でしょう。
『触覚』は、痛覚にも通じますし、人と人のふれあいや、体感温度にも通じますので、こちらも、たびたび登場します。
まあ、『味覚』は、ちょっと使いにくい気はしますけどね。
「臭覚」は、現実生活で、常に『新鮮に刺激』を受ける感覚である割には、ちょっと立場が低いかなあと。
使うことは使う表現でありますが、ひとに伝えにくい感覚なのかな、と思う、今日この頃です。