夢
いつもありがとうございます。
『こんな、夢を見た』
というのは、黒澤監督の『夢』という映画のフレーズですが。
実際に、夢で見たことを小説に、というのは、ひどく難しいと思います。
たまに、『これは私のみた夢です』という物語を発表されるかたがいらっしゃいます。
その時思うのです。『すごい』と。
そもそも、私の場合、まず、夢を覚えていないことが多いです。覚えていてもそれは、感覚的なものだけで、『怖い』『哀しい』という強い感情だけ覚えていることのほうが圧倒的。まれに、しっかり覚えていても、文章に起こしてみると、まったく『お話にならない』ことが多いです。
『夢で見た』とおっしゃるつくり手さんは、私と違って、綺麗な起承転結のあるドラマを夢で見ているのかもしれません。もしくは、文章にする段階で、構成し直して『物語』としてつくっているのかもしれません。
ちなみに、このへんの疑問が拙作『隣の田中』のオチにつながっています。どうでも良いことですが。
夢そのものを題材にした作品で有名なのは、『エルム街の悪夢』(1984年)。
漫画ですと、佐々木淳子先生の『ダークグリーン』があります。
いずれも夢と現実の境界があいまいであります。
これは、『夢なら安全』という、心理をくつがえす作品ですね。
TRPGのルールですと『ナイトメアハンター』(1988年)という作品があります。
夢に侵入する『夢魔』という存在と戦う、能力者になって、他人の夢に潜って戦うというシステム。
ファンタジー冒険系と違い、『夢』という世界を題材にしているので、世界の自由度はとても高く、プレイヤーやGMは、それなりに熟練度が必要ではありますが、私はとても好きでした。
ストーリーに謎解き要素を入れられるので、面白かったです。
夢枕獏先生の『サイコダイバー』に似たストーリーも可能ですのでオススメ。
ちなみに、2007年に、『ナイトメアハンター=ディープ』というリメイク版が販売されました。
こちらは、かなり『わかりやすい』世界に作り替えられており、初心者にはこちらのほうがいいのかもしれませんが、私にはちょっと窮屈でありました。
ちなみに。 TRPGというのは、世界観が細かいほうが、初心者のGMにはシナリオは作りやすいです。
これは、初心者の書き手さんが『テンプレ』だと書きやすいというのにつながります。
自由につくって、と言われて、ひょいひょいとオリジナル世界が設計できたら、天才です。
わたしなんぞ、いまだに『王道』のキリバリですから。
ところで、夢オチというのは、結構、忌み嫌われます。
しかし。たとえば、『青い鳥』。
なんとなく、おためごかしに終わることもあって、名作とされています。
結局。何か、読み手の心に残れば、いいのかなーと思ったり。