プロローグ4
北方に領土を持ち、アリメシア大陸最大の領土を誇るヴァイス帝国。他国に侵略を仕掛け、幾度なく勝利をし続け、領土を拡大していた。その一方で反乱、革命と言う名のテロリスト行為は領土を拡大し続ける中で激しくなった。
「………」
少年は真紅の騎士服を風になびかせ、両手には真紅の双刃剣を携え、前方に陣を構える反乱国を見つめていると一人の兵士が側に走って来た。
「団長、降伏勧告は拒否されました」
「そうか、下がって休んで下さい」
報告に来た兵士を下がらせ、少年は腕を組み考えていると横に控えていた青年が前に出て来る。
「団長、勧告を受け入れないなら、殲滅の許可」
「ダメだ、部隊は動かさない。動くなら、俺一人だ」
次の瞬間、少年はいきなりその場から姿を消した途端に前方の反乱軍の部隊から土煙りが舞い上がり始めた。
「……団長」
「副団長、お疲れ様です」
副団長の青年は兵士に慰められ、団長の後処理の準備を始める為に動き出した。
「お疲れ様です、団長」
僅か、一時間と掛からずに戦闘を終え、周りでは死体の処理を行い、一ヶ所に集めては火の中に投げ入れ、火葬を行っていた。
「しっかりと弔ってくれ」
「はっ」
副団長に指示を出し、少年は戦場となった場所を見渡し、次の瞬間には双刃剣を後ろに振りかざすと金属音が鳴り響く。
「何のつもりですか、マーティスさん。俺たちの死闘は禁じられている筈です」
「腕は鈍ってないな」
少年は自分に襲いかっかて来た真紅の騎士服を来た青年マーティスを睨みながら質問をしたがマーティスは剣を鞘に納め、後ろを見ろとあごを動かす。
「お久しぶりです、カティナさん」
同じく色は真紅だが魔術師の様な服を着た女性は二人の側に歩いて来る。
「ええ、お久しぶりですね」
「何故、この場所に?」
「クリムゾンナイツに命が下った。全クリムゾンナイツは帝都に戻れだとよ。皇帝の勅命だ、戻るぞ」
「陛下の勅命、分かりました。急いで軍の撤退を…」
「その必要はありません。部隊は副団長に任せ、クリムゾンナイツのみ急いで戻ります」
「分かりました、行きましょう」
三人は戦場を後にして帝都に向かい、その場を後にした。