プロローグ3
「ハァァァァ」
ドラゴンの懐に入り、刀を振るうと鱗を切り裂き、血飛沫が周りに飛び散り、ドラゴンは苦痛の叫びを挙げ、自らの認識の甘さを改め獲物が強敵であると認識を変えた。
「よし、これなら」
これなら、戦えるぞ。体も羽が生えた様に軽く感じる。油断さえしなければ、勝てる。
「ガァァ」
一瞬の勝てると感じた油断が、体の動きを鈍らせ、圧倒的な実力差があるドラゴンとの戦闘を決定付けてしまった。ドラゴンは自分の痛みを無視して勢い良く尻尾振り、真下にいた俺の背中に当たるとその勢いだけで身体が吹き飛ばされ、木に叩き付けられ、地面に倒れ落ちる。
「ガハッ」
背中を叩き付けられた事で一時的に呼吸が止まったが何とか呼吸が出来る状態になり、ドラゴンの方を見て、体中が悲鳴を上げ、今にも気絶してしまいそうだった。
しまった。まさか、自分の痛みを無視して攻撃してきた。一撃当たっただけで、体が悲鳴を上げている。まだ、死ねない‥‥‥‥こんな場所で死ねない。こんな場所で!!。
ドラゴンも獲物の動きが鈍った事にゆっくりと歩んで来る。動くだけで体中が軋んでいる事を感じたが、なんとか立ち上がり、皇刀・白夜を構えると刀身の輝きを増し、太陽を思わせる程の光を放ち始める。
「俺は!? 俺は死ねナい!? 皆を探ス為ニ!? オ前ヲ滅スル」
次の瞬間、ドラゴンは歩みを止め、目の前にいる者に恐怖を感じ、恐怖を抱きながら後ろに下がろとしたが、次の瞬間に風が吹き、後ろを振り向こうとしたが首が地面に落下し、血の雨が降り注ぎ、周りを赤に染め上げる。
「‥‥‥」
死んだドラゴンを見つめ、歩こうとしたが地面に倒れ込み、立とうとするが足に力が入らず、地面の冷たさに頭が冷され、その頭上に何者かが立っている気配を感じる。
「ダ、レ、だ」
「‥‥‥貴方に感謝を。 ようこそ、超越者の世界に」
薄れゆく意識でその言葉を聞いた時、体中に不思議と力が溢れ、肉体が悲鳴を叫びながら、別の何かに作り変わろとしている気がした。




