表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/1111

1-1 プロローグ

初投稿ゆえ、拙い文章や設定はご容赦下さいませ。

飛んでくる火の球はとてもゆっくりに見えました。


でもわたしの体もとてもゆっくりとしか動かなくて、よけられそうにありません。


わたしは動くのをあきらめて、ただ自分にむかってくる火の球を前に目をとじました。


焼かれている時までゆっくりだったらやだなって思いながら。


ともき君みたいに、体じゅうやけどしてイタイイタイって泣いてベッドですごすのはやだなって思いながら。


……でもこれでおわるんだなって思ったら、ちょっぴり涙がでました。


そんなことを考えてるあいだに、火の球はもうすぐそばまで来ているのが音で分かりました。


(さよなら、みんな。さよなら、このイヤな世界。さよなら……お母さん、お父さ――)




「戦闘中に目を閉じるな、少女」




突然話しかけられたことにびっくりして、わたしは思わず目をひらきました。


そこには――いつの間にか、人のカタチをしたドラゴンがいました。


いえ、ちがいます。 ドラゴンみたいなヨロイを身につけた人がいました。片手には、わたしを殺すはずだった火の球をにぎりしめて。


「お、おとう、さん?」


「自分には君くらいの子はいない」


やだ、わたし、何を言ってるんだろ! 何を言ってるんだろ!!


「混乱しているようだな。後は自分に任せて少し休むといい」


そう言ってその人は火の球をにぎりしめている方と反対の手でわたしの頭をなでてくれました。


大きな手、そしてとてもあたたかい手でした。


《おやすみなさい》


どこかで女の人の声が聞こえたような気がして――わたしがおぼえているのはここまでです。


それがわたしたちの先生、神崎かんざき ゆうさんとの出会いでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ