第七章人物紹介 《名前登場順3》
長くて申し訳ないー;;
エルメリア・ソートン 人間:女性 13歳
ミーノス王国侯爵サフィリエ・ソートン財務大臣の愛娘。非常に貴族意識が高く、父親のサフィリエも頭を悩ませている。
エリオスと考え方が近しいが、彼ほど自分本位では無く、あくまで理想の貴族であろうという思いから、非常にプライドが高い。
性格は誇り高く勤勉だが頑な。当初は貴族以外の者とは馴染めなかったが、ジェイの度重なる挑発作戦によりあの無礼な庶民に比べればマシと思い始め、周囲と打ち解けて来た。
容姿は上の中。艶やかな手入れの行き届いた金髪を軽く巻いている。瞳は薄い青。
身長は153センチ。同年代では発育は良い方。
ほぼ全ての分野で優秀な成績を残しているエルメリアだが、実際は様々な劣等感を抱えている。エクレアの人との距離の縮め方、ジェイの実学の知識、そしてラナティの弓の腕前などに対する感情がそれである。アルトの別れの言葉を胸に、エルメリアは自己を確立し、他人を受け入れる度量を持てるようになろうと努力するのだった。
オランジェ・ナルトレイン 人間:男性 33歳
ヤールセンと同類の臭いがする元歴史オタクで現歴史教師。1-1の担任を務める。
教師募集の際、一念発起して応募し、正しい歴史を教えたいという想いを買われて採用された。
実際の所は子供達の中に歴史に興味を持つ者が増えれば将来的には自分とは異なる視点から多種多様な歴史認識を楽しむ事が出来るのでは無いかという利己的な考えもあったが、理想の生徒像たるアルトや他の生徒達と触れ合う内に教育そのものに意義を見い出すようになった。
ジェイ 人間:男性 13歳
下町で娼館を営んでいる母を持つ少年。この第七章において主役級の人間は誰かと問われれば間違い無くその一人に数えられる。
13歳とは思えないほど世間慣れしており、世俗に疎いアルトを度々翻弄する。
性格は享楽的で現実主義。出来る事、出来ない事の線引きがはっきりしており、希望的観測を持たない。だが、時に自分の現実的な思考にうんざりする事もある。
容姿は中の上。硬めの茶髪で少々ツンツンヘアー気味。瞳も同色。斜に構えた表情をしていなければもう少し容姿の評価は上かもしれないが、不敵な態度がデフォルト。
身長は163センチ。この年齢にしては大きい方だろう。その分体は細めだが、必要量の筋肉はある。
アルトが学校で作った友人第一号にして親友と言っても差し支えない存在のジェイだが、中々自分の中でのアルトの位置を確定出来ずにいた。最後にアルトと本気で渡り合い、やはり手放し難いほどに大切な存在になっていた事に気付く。別れの際に一発くらい殴ろうかと思ったが、アルトの顔を見ていると殴る気が失せたので、その時は女性になっていたとはいえアルトにキスをした剛の者。その代償に奥歯を一本折られたのは多分いい思い出。
ライハン 人間:男性 13歳
ジェイの子分。もとい、幼馴染み。下町時代はジェイの側でサブリーダーを務めていた。
両親は既に亡く、ジェイの母親であるアリアンロッドが母親代わりであり憧れの女性。メリハリの効いた女性に目が無い。
性格は粗暴で義理堅い。ジェイとアリアンロッドに多大な恩を感じており、口では対等を装いつつも心理的には常にジェイを立てている。
容姿は中の中。喧嘩で掴まれない様に濃い茶髪はクルーカット。目はぎょろりと大きい茶色。
身長162センチ。ジェイとは違い筋肉質な体で実際単純な力比べならジェイより上。
過去数度に渡ってアルトにときめいた経験が周囲を誤解させているが、娼館で働くミラ一筋というのがライハンの言。勿論誰も信じてくれない。まずは鼻血を出さない訓練から始めよう。
スルーシア・リヴァイア 人間:女性 26歳
学校で算術を教える才媛。姓名がある事から分かる通り貴族である。異性に興味が無い訳では無いが、男よりも数式に心惹かれる完全な理系人間。ミーノスギルドのサロメとは同じ才媛同士交流がある。2人で食事などしていると中々絵になるのだが、声を掛けて来た男性はその後プライドを圧し折られて不味い酒を飲む事になる。
実家の者達も既に彼女の結婚を諦めていたが、男性も働いている職場に勤め出した事からこれが最後の好機かと縁談を進めるタイミングを計っている事を彼女は知らない。
メルクーリオ 人間:男性 13歳
ジェイと同じく娼婦を母親に持つ少年。生まれに複雑な経緯があり、貴族の父親を持ちながらも貴族に対して激しい憎悪を抱いていた。
後に悠との会話を経て凍てついた心に光が差し、アルトの決死の献身により憎悪から解き放たれる。
今は将来アルトやその父親であるローランに仕える為に必死に勉強に励んでおり、アルトとの別れの言葉を胸に貴族とも進んで交流を持つようになった。
リッツ 人間:男性 42歳
ジェイやアルトが暮らす寮の寮長。元冒険者で中々の強面だが、貴族庶民の別なく子供達には公平に接している。アルトが寮で暮らすようになって子供達の意識が向上し、今では全ての寮の中で最も評価が高い。
キャスリン 人間:女性 20歳
ノースハイア冒険者ギルドのスチャラカ受付嬢。気紛れ、怠惰、うっかり者という三重苦の持ち主だが、人から好かれる性質もまた持っており、可愛らしい容姿と相まってノースハイアギルドのマスコット的存在。友人のレイシェンとは対照的な性格ながら仲は良いようである。
ただのマイペース人間かと思いきや危機には勘が働き、あまり危ない目に遭った経験が無い。かと思えばレイシェンを庇って悠の前に半泣きで立ち塞がったりもする。多分脊髄反射で生きている。
悠と親しいという誤情報? が出回った事で男性が声を掛けて来なくなったのが寂しい。
レイシェン 人間:女性 22歳
ノースハイア冒険者ギルドの敏腕受付嬢。マーヴィンが解雇されると数段飛ばしでギルド長代理に任命され、尚且つその職務をしっかりこなせる辺りが本当に敏腕。本部のオルネッタは悠との繋がりを持つ人物で有能な人材を代理に当てたのだが、思わぬ拾い物をしたと喜んだ。
意志の強さと行動力が均衡しており、悠に対しても譲るべきでは無い場所は譲らないと明言出来る気骨もある。
今では良好な関係を築いているが、その若さでギルド長代理を務めている事などが相まって、古株のギルド職員ですら彼女には逆らわない。そしてキャスリン以上に男が寄って来ないのが年頃の乙女の悩み。
オリビア 人間:女性 23歳
元Ⅷ(エイス)の冒険者で、『殲滅の魔女』の二つ名で呼ばれた人間五強の一角。マーヴィンと共に作り出した高速魔法詠唱術によって揺るがぬ名声を得ていた。
しかし、高慢な彼女を恨む者は多く、悠に敗れた後から様々な者達に狙われるようになり、家に火を付けられて大火傷を負った上に喉を潰されるという生き地獄を味わった。
性格は高慢。後に敬虔。絶望の淵に立たされ精神がボロボロになっていた所を悠に助けられ、悠を神の使い、或いは神そのものであると信じるようになる。半分以上合っているのが洒落にならない。
容姿は上の下。一時期は顔の火傷のせいで下の中。赤みがかった茶髪で腰まで届く長さがあり、瞳はブラウン。以前は人を睨み付ける様な目付きをしていたが、今では穏やかな目元をしている。
身長164センチ。女性らしい曲線の体を持っている。しかしそれは体術の鍛練不足という側面もある。
悠への崇拝の念は宗教の域にまで達し、『静神教』という一つの宗派の完成を見た。悠を主神、ハリハリや恵など優れた能力を持つ者達を神の使いである大天使として日々崇めている。動けるようになってからは布教活動にも余念が無く、心の弱った者の側には今日もオリビアの姿があるのだった。ちなみに画力は向上していない。
マーヴィン 人間:男性 62歳
オリビアの祖父にしてノースハイア冒険者ギルドのギルド長。後に罷免させられ無職に。更にその後悠に拾われノワール家の馬丁になり、働きを認められてバローの参謀に昇格する。
傲慢で独善的なギルド運営を行い孫のオリビアと共にノースハイアギルドで我が世の春を謳歌していたが、悠にぐうの音も出ないほどの完敗を喫し、それまでの悪行を理由に全ての役職から罷免された。
その後頼る者も無く重傷を負ったオリビアを連れて悠に誠心誠意謝罪し、許されて心を入れ替えノワール家で働き始める。
ギルド長に任命されるほどにその能力は高く、今後の活躍が期待される。
4つ目に続きます。




