第七章人物紹介 《名前登場順1》
毎度、人物紹介です。
エリオス・クーラレイン 人間:男性 16歳
ミーノス王国子爵。早々に隠居した父に代わりクーラレイン子爵家を継ぐ。
クーラレイン家は派閥抗争時、どちらにも与さず中立を貫いており、それによって財産を守ったのはエリオスの手腕である。
性格は野心的で細心。いつの日かローランの立場を奪い取るつもりで登用試験を受けたが、悠とローランの策の前にあえなく敗れた。その後、ローランの息子であるアルトにも心理的に敗北したと感じ、徐々にではあるが考え方が変わりつつある。
容姿は上の下。少し巻き毛気味で目は細め。表面上朗らかに見える様に意識している。
身長175センチ。一見細身だが、剣も魔法も良く鍛えられており、高等学校では3年生の首席の実力を持つ。ランクの低い魔物であれば一刀の下に斬り伏せる程度の事は可能だが、流石にアルトには通用しなかった。
フェルゼニアス家に複雑な感情を抱く彼が今後どの様な道を辿るのかはまだまだ不分明である。
ヤールセン・リオレーズ 人間:男性 29歳
ミーノス王国準男爵であったリオレーズ家の長男。後にローランの副官任命時に男爵に叙される。
幼い時分は類稀なる知性を発揮し神童と呼ばれていたが、国家の硬直性に嫌気が差し厭世的に生きていた。父親から絶縁か就職かを迫られ、嫌々ながら登用試験に挑み補欠合格。その才気の片鱗をローランに見い出され副官に抜擢される。
性格は常識的かつ無気力……であったが、日々のローランから課せられる難事をこなしている内に「ヤールセン殿は良く働くお方だなぁ」と周囲に認識され、今更サボれない。なんだかんだ言いながらもローランの無茶振りを消化している辺り、やはり優秀なのだろう。
容姿は中の上。特に手入れもしていない茶色に近い金髪は肩に掛かるくらいに長いが、今は立場が立場なので多少整えている。思い入れも無いので春になったらバッサリ切ろうか考え中。色素が濃い目なのか、目は青灰色。いつも眠そうで、実際眠い。
身長176センチ。運動など全くしていない本の虫だったので不健康に細い。しかし、政治にも体力がいる事を痛感し、朝にランニングをするようになった。
ルーファウスやローランに代わり諸外国を飛び回り、各種交渉を成就させているヤールセンに対する評価はかなり高いが、上司の能力を知るヤールセンは至って冷静にその評価を受け止めており、それがまた謙虚であるという評判を産んでもうどうしろと言うのかというのが本人の感想である。
シュレイザ 人間:女性 25歳(享年)
冒険者パーティー『六眼』の元メンバー。『慈眼』のシュレイザと呼ばれた。『六眼』解散の原因となった魔族との戦闘で死亡している。オルネッタの実妹。
オルネッタ 人間:女性 37歳
冒険者パーティー『六眼』の元メンバー。『慧眼』のオルネッタと呼ばれた。現在は冒険者ギルド本部統括代理であり、近々正式に統括に昇格する予定である。
実の妹であるシュレイザを失ったオルネッタはアイオーンが個人の力を求めたのに対し、集団としての力を求めて冒険者ギルドの運営に関わるようになった。
性格は慎重で几帳面。若くしてギルド本部の頂点を極めている事からもオルネッタの優秀さは疑いようも無い。が、対象の自分に対する害意を見抜く才能『慧眼』に頼るあまりティーワの悪意を見抜けなかった事を恥じ、今は素の観察眼を鍛えている。
容姿は中の上。茶色っぽい癖の無い黒髪を首の後ろで結んでいる。切れ長の目は理知的な印象を見る者に与えている。
身長166センチ。魔法職の為筋肉質では無いが、普通の冒険者と比べてもその身体能力は高い。
現在は組織の改革と新たなⅨ(ナインス)試験の試行錯誤で大忙しである。
アルベルト 人間:男性 42歳
冒険者パーティー『六眼』の元メンバー。『隼眼』のアルベルトと呼ばれた。現在はどこに居るのか不明。
イライザ 人間:女性 35歳
冒険者パーティー『六眼』の元メンバー。『千里眼』のイライザと呼ばれた。現在はどこに居るのか不明。
カルカラン 人間:男性 50歳
アグニエルが簒奪を試みた際、ラグエルによりミーノスへと逃がされた官吏。ラグエルが治世を回復してからはその経験を買われ、外交官として活動している。
レフィ―リア・ノワール 人間:女性 22歳
不在のノワール領を切り盛りしていたバローの妹。高い事務能力を誇り、バロー帰還後も実務はレフィーリアの管轄である。
バローとは性格的に真逆でいつも顔を合わせれば罵り合いばかりしていたが、本心では兄に頼りたい気持ちを持ち続けていた。悠の仲介で兄弟仲も多少改善し、今では自然に接する事が出来るのを内心では喜んでいる。彼女への縁談がそもそも今回の戦争の切っ掛けであったかもしれない。
性格は冷静沈着で頑迷。あまり融通の利く性格では無く、判断において情を含める事を嫌うが、それは自分が案外情に流されやすい事を熟知しているからだ。
容姿は上の下~上の中。バローとよく似た髪質で、肩より下まで伸ばすと癖が酷くなるので肩口で切り揃えている。目は釣り目気味で、平坦な表情をしていると怒っているのかと言われるのが悩み。
身長162センチ。特に鍛えている訳では無いので非常に女性らしい体付き。だからと言って触ってはいけません兄上。
急激に増えたアライアットの避難民や戦争など、最前線の領地を預かる為政者として多忙な日々を送っているが、いつかバローがこの領地に戻り、妻帯して幸せに暮らす事を願っている良き妹である。反面、自分の婚期については何も考えておらず、兄妹揃って思考が似ているのかもしれない。
アイラ
レイラの『分体』その2。悠が連絡・護身用としてレフィーリアに贈った。
クレロア・ドワイド 人間:男性 31歳(享年)
ドワイド伯爵家次期当主。後に当主。そして廃人。
臆病な性格だが故郷であるドワイド領に愛着があり、特に悪人では無かった。ガルファに誑し込まれ、薬物中毒となって正気を取り戻す事も無いまま公開処刑される。第七章において、ロッテローゼに次いで不幸な死に方をした人物かもしれない。
彼の死を持ってドワイド伯爵家は断絶し、その領地はノワール家に治められる事になった。
バルボーラ・ドワイド 人間:男性 29歳(享年)
ドワイド家の没落の立役者。乱暴狼藉によって涙を呑んだ庶民は多数に上り、気に入った女性であれば他人の妻にでも平気で手を出し、反抗すると鍛え上げた武力で殺戮を繰り返していた。
レフィーリアとの縁談を期にノースハイアで成り上がりを夢見るが、夢見ただけで何か具体的な策や展望がある訳では無かった。
バローに両手を斬り落とされ、惨めな姿で泣き喚きながら処刑されるバルボーラに対し人々は歓喜の声を上げ、出来るだけ長く苦しむように祈ったのだった。
フェローザ・ドワイド 人間:男性 53歳(享年)
隣領のノワール領を長年に渡り狙っていた小悪党。極論すれば彼の愚かで稚拙な野心が全ての切っ掛けになったと言えるかもしれない。
バルボーラを遠ざけノワール領を手に入れる一石二鳥を目論むが、帰還したバローによってあっさりとその思惑は瓦解。長男のクレロアに全てを押し付けて隠居する。
その無責任な態度が事態の更なる悪化を招き、結局訳が分からないまま処刑される事になった。
パストール 人間:男性 49歳
ノワール家の私兵を束ねる軍団長。考え方が古いが実直で手堅い戦い方を好む。
帰還したバローの強さに心酔し、以後も絶対の忠誠を持ってノワール家に仕えている。
よくバローに頭髪の薄さについてからかわれるが、まだそんなに薄くない……はずである。もし薄くなっているとすれば、それは間違い無くバローのせいであろう。
ヒストリア 人間:女性 27歳
人間五強の一角。二つ名は『奈落の申し子』。実年齢は27歳だが、どう見てもまだ10歳を超えた程度にしか見えない。人の名前を自分の中で解釈し、独自の略称を用いる。
唯一無二の才能、『自在奈落』を持ち、その攻撃力、防御力は他の追随を許さない。過去に制御を誤った事で両親を亡くし、激しい糾弾に晒された経験から『自在奈落』に対する感情には一言では語れない複雑な思いがある。5歳の時に『自在奈落』で作った空間に閉じこもり15年を過ごし、その後7年間をギルド本部で軟禁されて過ごしていた。
性格は幼く激情的。子供扱いを嫌い、それを行う者には容赦が無い。逆に自分を対等に扱ってくれる者に対しては寛容である。前者の筆頭はバロー、後者の筆頭は悠だろう。また、オルネッタには格別な感情を抱いており、母の様に慕っている。
容姿はまだ成長途上であるが整っている。髪の色は黒に近い茶色で、髪質は細く癖がつきやすい。
身長は141センチ。年少組の子供達に混ざっても違和感が無い……とバローが言ったら『奈落崩腕』で追いかけられて死に掛けた。明の『進化の繭』で成長した事から、今後成長する事は可能と思われる。
今や危険が予測される場所へ赴く時には無くてはならない存在となったヒストリア。ネックである『自在奈落』の制御にも取り組んでおり、今後ますます活躍する事が期待される。
なるべく多目に詰め込んで行きます。




