【登場人物事典】か行・その2
【き】
キース エルフ:男性 250~300歳前後(享年) 所属:エルフィンシード
これが誰だか一瞬で思い出せる人はこの作品のマニア認定その2。
ナターリアの護衛をしていたエルフの一人で、ダイダラスに噛み殺されその生涯を閉じる。
キキ 人間:女性 22歳 所属:ミーノス
アリアンロッドの店で働く給仕長。この道7年はベテランの域。割と感動屋。
この度ペイルとの婚約が決まり、今が人生の絶頂の時。
なお、箒で空を飛んだりはしない。
『現在』
戦争に行ったペイルの身を案じつつ、酒場で忙しい日々を送っている。アリアンロッドのそんな彼女を慮ってあえて扱き使っているようだ。
キャスリン 人間:女性 20歳 所属:冒険者ギルド
ノースハイア冒険者ギルドのスチャラカ受付嬢。気紛れ、怠惰、うっかり者という三重苦の持ち主だが、人から好かれる性質もまた持っており、可愛らしい容姿と相まってノースハイアギルドのマスコット的存在。友人のレイシェンとは対照的な性格ながら仲は良いようである。
ただのマイペース人間かと思いきや危機には勘が働き、あまり危ない目に遭った経験が無い。かと思えばレイシェンを庇って悠の前に半泣きで立ち塞がったりもする。多分脊髄反射で生きている。
悠と親しいという誤情報? が出回った事で男性が声を掛けて来なくなったのが寂しい。
『現在』
受付嬢とギルド長代理として立場は変わったが、相変わらずレイシェンの事はレイシーと呼び捨て。声を掛けて来る男性が激減してしまった事から悠の愛人的立場をレイシェンと共に(勝手に)目論むが、悠本人に聞かれ音速で拒否され撃沈。それでもまだ諦めていない辺り強かな娘である。
ギャラン 人間:男性 15歳 所属:ミーノス、冒険者ギルド
合同訓練に参加した冒険者の一人。この訓練の中で悠が最も目を掛けていた人物。
ギャランは対人関係に問題を抱えており、親にも見放され、口調は吃音、容姿も優れず友達も居ないという四重苦を抱えていたが、初めて自分を信じてくれた仲間の為に悠と激闘を繰り広げ、吃音と友人が居ないという問題は解消された。
投擲武器をメインにしており、その潜在能力は悠も認める所である。
性格は臆病で控えめ、かつ心優しい。現在のパーティーメンバーもギャランと生活する様になって彼の内面の美徳に好感を抱いた。恐らく悠が出会った中でも1、2を争う善人。
容姿は下の上。くすんだ茶の髪はざんばらで目を隠しており、外見上に秀でた所はまるで無いが、成長に伴い少しずつ改善されて来たようだ。
身長は153センチ。碌な物を食べて来なかった為に体も細く手足も枝の様であったが、日々の鍛練と冒険者としてそれなりに稼ぐ事が出来る様になった事で大分同年代の者に近い体型になりつつある。
現在は初めて誘われたパーティーにて奮闘中。悠に貰った投げナイフはギャランの生涯の宝物である。
『現在』
合同訓練で最後まで悠と競り合った者達で作ったパーティー『開拓者』の一員として奮闘し、十代半ばにしてⅤ(フィフス)の冒険者に認められた。ギャラン自身は謙遜するが、その投擲の正確さは悠との交流を経て神業と称するレベルに達し、半径15メートルの範囲でギャランが的を外すのを見た者は居ない。
悠に貰った投げナイフは日々の鍛練によって既にボロボロだが、ギャランにとっては全財産よりもずっと大切な品であり、いつも肌身離さず持ち歩いている。
キリギス 人間:男性 年齢不詳(30歳前後、享年不明) 所属:『影刃衆』
『影刃衆』筆頭にしてミロの右腕。ミロと共にアルトを襲った所をベロウに撃退される。
古くからミロに従っている腹心で、ミロの気が乗らない相手の始末はキリギスと『影刃衆』の役目である。
戦闘力は一流の暗殺者だが、短気で単純な性格の為に機密保持などの観点では不安が残る。
格下と侮っていたベロウに敗れ、雪辱を誓う。
容姿は不明。ミロと同じく人前で顔を晒す事はほぼ無い。
身長175センチ。戦闘特化の暗殺者として速度を重視した戦い方をする。
『現在』
ミロに愛想を尽かされたキリギス及び『影刃衆』は再びミロに戻って来て貰う為に名を高めようと、キリギスを頭に行動を開始。無差別な暗殺集団に変貌する。
悠は一計を案じ『影刃衆』をおびき寄せ、罠に掛けられたキリギスはバローと対峙するが既にその力量、装備は絶望的に差が開いており、絶望の中で首を落とされ命を落とした。
ミロに対する忠誠心だけは誰よりも高かったが、ミロは忠誠など求めていなかったのは救われない話である。
霧沢 朱音 人間:女性 9歳 出身:黄道 所属:『戦塵』
黄道出身の小学2年生。水の魔術に適正を持つ。戦闘訓練中で、まだ戦闘には未参加。『竜ノ微睡』後は卓越した水魔法で悠を助けてくれるようになった。
性格はしっかり者で勝ち気。しかし、お風呂に関しては人が変わる。
泳ぐのが好きで、既に1キロくらいは余裕で泳げる。
髪は明るい茶色で目も同色。泳ぐ機会が多かったせいか、余計に色素が抜けて明るい色になった。
身長134センチ。日焼けしているが、白い肌にも憧れている。
悠が好きだが、勿論まだ恋などというレベルでは無い。憧れのお兄さんみたいな感じである。
『現在』
フォロスゼータ潜入に関して大活躍中。口には出していなかったが、始がよく呼ばれる事に若干コンプレックスを抱いていたので大変な張り切りようである。
同じコンプレックスを持つ京介とは喧嘩友達といった所。
ギルザード・シュルツ デュラハン:女性 1000歳以上(人間としての死亡時は26歳) 所属:『戦塵』
アザリア山頂のダンジョンに住まうデュラハン(首無し騎士)。生前はシャロンに仕えた人間の騎士であったが、斬首された後、シャロンの手によってデュラハンとして復活する。
性格は律儀で豪放。かつて仕えた国の風習で鎧の下は何も着ておらず、それを悠に見られても全く動じないなど、少々ガサツな一面もある。
容姿は上の下。元々は金髪碧眼だったのだが、デュラハンとなった時に黒髪黒瞳に変化した。
髪は重要な体の一部の為長く伸ばしており、顔立ちは少々印象としてはキツめで中性的である。
身長177センチと女性としては長身。全身鎧フルプレートを身に纏い、兜ヘルムを被ると180センチを優に超える。スタイルは筋肉質ではあるが女性らしさも残している。
第六章のラストで悠達に破損させられた魔銀の鎧からハリハリ、カロン、カリスら合作による『真式魔法鎧』の試作品に装備を変え、生身の悠と同等にやり合えるほどの力を得た。
デュラハンの強さは生前の実力と装備に影響を受け、また頭部が離れているとその距離に応じて弱くなる。
通常ランクⅥ(シックスス)前後のデュラハンだが、フル装備状態のギルザードは悠曰く「ランクⅩ(テンス)の魔物モンスターに等しい」と言わしめる。
『現在』
新しい鎧も体に馴染み、サイサリス相手に鍛練を繰り返している。お陰でむしろサイサリスの戦闘力が増大しているが、デュラハンとドラゴンである2人にはまだあまり出番がないのでその力が振るわれる機会は少ない。
相変わらずシャロン至上主義ではあるが、シャロンの自主性を損なわないように気をつけるようになった。
悠に対する感情は……?
【く】
クエイド 人間:男性 44歳 所属:ミーノス
アザリア駐留隊隊長にして、現アザリア町長代理。ベロウに見込まれてあれよあれよという間に町長代理に仕立て上げられていた薄幸の人。その後代理の肩書が外れ、正式な町長として任命された。
故郷であるアザリアの町を愛しており、その勤勉な勤務振りから部下や住人からの信頼は厚い。
自分の出来る範囲で力を尽くそうとする実直な性格をしており、それは町長となった今も変わらない好人物である。
『現在』
アザリアの復興に尽力し、正式な町長として多忙を極める毎日を送っている。周囲からは見合い話が多数舞い込んでいるが、別に町長を世襲させる気も無いので仕事を理由に断り続けている。
クライス・シェルサイト 人間:男性 27歳 所属:ノースハイア
ノースハイア王国伯爵にして宮廷魔術師。作中では家名は未出。魔法を操る力に秀でていて、その爵位の高さから召喚の管理を任されている。クライスは管理者としては2代目。
性格は傲慢で嗜虐的。これまで召喚されて来た幾人もの子供達を死地へと追いやって来ており、その事には何の良心の呵責を感じてはいない生粋の悪人。悠にとんでも無い目に遭わされて廃人になった。
容姿は上の中。金髪で碧眼だったが、廃人になった時に白髪に、両目は悠に潰されて盲目にと、最早説明の意味を持たず、下の下である。
身長は180センチだったが、壊れた後は蹲っている姿勢しかしないので、これまた説明の意味を成さない。
最近の、というか、常に悠の夢を見て眠れないのが悩み。寝る→悪夢を見る→跳び起きて泣き喚く→疲れて寝る→……と終わる事の無い地獄のループが彼の終点。終わりが無いのが終わりです。
『現在』
絶賛レクイエム状態。常に錯乱状態で拒食症気味。あまり長生きは出来そうにないが、むしろそれは彼にとって救いかもしれない。
グリース・バーナビー 人間:男性 37歳 所属:ノースハイア
ノースハイア王国元親衛隊長。家名は作中では未出。剣も魔法もそれなりに使いこなす猛者……だったが、悠を舐めてかかってあっさりと廃人行き。剣技を披露する間も無かった。
性格は傲慢で卑屈。傲慢はこの世界の上流階級の宿業かもしれない。強い者には諂い、弱い者には容赦しない典型的な悪人。悠にぶん殴られて意識は遥か彼方へ昇天した。
一応地位は高いので、治療院で余生を過ごすであろうと思われる。
『現在』
返事がない、ただの廃人のようだ。
クリストファー・アインベルク 人間:男性 56歳 所属:アライアット(現在はノースハイア客将)
アライアット王国子爵。ダーリングベルの分家に当たるアインベルク家当主。現在はノースハイアに投降し、爵位を放棄している。
ロッテローゼの親の代からダーリングベル家に仕えていた好人物で、おそらくアライアットで最も業が高い。ロッテローゼ死亡時にノワール家に投降し、投降兵を纏め上げている。
性格は穏和で忠実。人との衝突を嫌い、その優れた人格から何かと頼りにされているが、ガルファをロッテローゼから引き離す事が出来なかった事を非常に悔やんでおり、打倒聖神教にその意欲を燃やす。
ただ、ソフィアにはダダ甘で度々悠に叱責される場面も。
容姿は中の上。既に頭髪は気苦労が多いせいか白髪になっており、オールバックにして油で固めている。バローと違い、綺麗に整えられた髭を鼻の下に蓄えたその姿は紳士の完成形と言えるだろう。
身長177センチ。長年鍛えているその体は老境に差し掛かる今も弛んではおらず、厳しく節制している事が伺える。
アライアット最後の良心と言っても過言では無いクリス。彼の願いは健全な祖国の奪還とソフィアローゼの健やかな成長のみである。
『現在』
連合軍アライアット隊副将を務める。大将で無いのはまだ若いパトリオに期待する心からであり、適格では無いからという理由では無い。
クリストファーの願いは健全な祖国の復興であり、個人的な名声では無いからだ。
グリネッラ ドラゴン:男性 ???歳 所属:ドラゴンズクレイドル
ドラゴンズクレイドルからアラマンダーと共に派遣された群青色のドラゴン。ランクではⅧ(エイス)。
スフィーロが評した通り、強い者には諂う傾向にある。それゆえ、アラマンダーを瞬殺した悠の圧倒的な武力を前に戦う事も無く逃亡、伝言役を引き受けさせられた。
『現在』
ドラゴンズクレイドルに逃げ帰ったが……?
クレロア・ドワイド 人間:男性 31歳(享年) 所属:ノースハイア
ドワイド伯爵家次期当主。後に当主。そして廃人。更に処刑。
臆病な性格だが故郷であるドワイド領に愛着があり、特に悪人では無かった。ガルファに誑し込まれ、薬物中毒となって正気を取り戻す事も無いまま公開処刑される。第七章において、ロッテローゼに次いで不幸な死に方をした人物かもしれない。
彼の死を持ってドワイド伯爵家は断絶し、その領地はノワール家に治められる事になった。
グロス 人間:男性 34歳 所属:ミーノス
聞いただけで分かったらこの作品のマニア認定その3。格闘場でバローと戦った3戦士の内の一人。現在は学校で剣の教師として働いている。
『現在』
学校で剣術を教えているが、自分の半分にも満たない年齢のアルトと接戦の末敗れ、生徒に混じって一から修行をし直している。人に教える事で自らの足りない部分も見えて来て、是非アルトといつか再戦をと願っており、アルトが学校から居なくなった事を最も惜しんでいる一人である。
【け】
現在該当無し。
【こ】
ゴーラン 人間:男性 29歳(享年) 所属:ミーノス
冒険者集団『黒狼こくろう』の頭領。ローラン達を襲っていた所を悠に乱入され捕縛、牢屋へと送られた。尋問の日々を送っていたが、獄中で首を斬られて失血死。
古賀 紗里奈 人間:女性 16歳 所属:蓬莱
軍属の軍曹待遇の学生。匠の臨時副官。軍属とは正式な軍人では無いが、軍に所属している者達を指す。
成績は主席な訳では無いが、臨時副官希望者を募る書類が来たので応募してみたら受かった。
本人は選考基準が『幼く見える事』が最優先事項だとは知らない。世の中には知らなくてもいい事があるという事の見本。
勤務態度は良好で能力、素行にも問題は無い為、年齢以外に匠に不満は無い。そのせいで余計にロリコンを疑われる悪循環だが。
特練入りを目指して頑張る前髪パッツン娘。
『現在』
勤務の空き時間に匠から直接手ほどきを受け、春からの特練入りが内定した。その事自体は喜ばしい反面、もう匠の副官を務められないかと思うと辞退するべきかどうかと悩んでいる。
余談だが、彼女に手ほどきを行う匠を見て朱理と雪人は「やはり……!」という思いを新たにしていた。
コッコス 人間:男性 43歳 所属:ミーノス
ミーノスの裏社会武闘派組織ナンバー2。
ガストラ、ジョナスらの惨状を見て心が折れ投降。御用となる。
その後も協力的な姿勢を見せた為、罪を一等減じられて終身刑となる。
『現在』
牢獄は思ったより悪くない。何より、魔物より怖い人間に殺されずに済むのだから。
コロッサス 人間:男性 46歳 所属:冒険者ギルド
ミーノス冒険者ギルドのギルド長。悠とガーランの揉め事を仲裁した事で悠達と知り合う。
片目を子供の頃の病で無くしており、それでも剣士としての過酷な修練の末、『隻眼』コロッサスと呼ばれるほどのⅨ(ナインス)ランクの冒険者に上り詰めた努力と根性の人。
自分の限界を悟って冒険者を辞めたが、その精神性と腕っぷしを買われて冒険者ギルドのギルド長に抜擢された。
性格は豪快というか大雑把。細かい事は気にせず、その点はサロメがしっかりしているので更に大雑把になりかけているが、たまにサロメが冷たい釘を刺すので何とか踏み止まっている。
容姿は中の上。前は少し延びた白髪まじりの濃い茶色の髪を無造作に放置し、顔にも無精髭が浮いていたが、最近はお偉方への挨拶回りの為に髪は纏め、髭もちゃんと剃っている。無くした目には眼帯を使用。たまに手入れを怠ってサロメに怒られていたりする。今は悠の『再生』により両目を取り戻したが、あまりに見え過ぎる視力を抑制する為にあえて眼帯を使用し続けており、外すのは本気で戦う時と夜に自己鍛錬する時だけである。
身長185センチ、筋肉量もかなり多いマッチョ体型だが、動きを阻害しないレベルに留めている。
『黒狼騒動』を経て片目を治療してくれた悠達に同調し、ローランと共に心強い味方となる。
毎夜、己を高める為に秘密特訓中。
『現在』
悠によって目を取り戻したコロッサスは現役時代に想い描いていた全局面的にカウンターを取りに行く奥義『破鏡』を開眼。復讐に目を曇らせるアイオーンを一蹴し長年に渡る妄執を粉砕した。
神鋼鉄の剣を手に入れたコロッサスの力量は今でもⅨで通用すると言っていいだろう。
……いくら強くなってもサロメに頭が上がらないのは相変わらずだが。
さ行はまた少し後で。