第六章 あらすじ
悠に先行してミーノス入りするバロー達はマンドレイク家からの干渉をあしらいつつ、メロウズやヘイロンから情報を入手し悠を待つ。
一方ローランらとミーノスに向かう悠だったが、その旅路の途中で竜器に封じていたスフィーロの意識が覚醒、交渉の末に一時的な協力体制を築き、ドラゴンにも怪しい人物の出入りがあった事を知る。
バロー達と合流した悠は入手した情報から対応を検討し、ミーノス第一王子ルーファウスからの呼び出しによって王宮へ向かう事になった。
貴族の嫌がらせとそれに踊らされた騎士団長ベルトルーゼに難癖を付けられるが、その障害を難なく突破した悠達はついにルーファウスとの謁見が叶い、その助力を得るのだった。
その帰りにマンドレイクの担ぐ第二王子ルーレイとも顔を合わせる機会を得たが、ルーレイは全く子供であり、むしろ一行の中に居たアルトを大層気に入って友人認定してしまう。
必殺を期すディオスとマッディ、カーライル。敵地に乗り込む悠一行。
顔合わせから火花を散らす両者であったが、アルトに会う為にルーレイがベルトルーゼを連れ生誕パーティーに乱入、それを見て怒りを覚えつつも腹の決まったディオスは反乱計画を開始し、会場は『堕天の粉』なる謎の毒性の紫煙に包まれ、それを吸い込んだ者達は次々と人事不省に陥ってしまう。
またフェルゼンではカーライルが偽勅を持ってフェルゼンに侵攻、アラン、アイオーンらと睨み合いになるが、交渉の末フェルゼニアス邸への捜索を限定的に受け入れてカーライルを誘い込んだ。
不死の『殺戮人形』らの強襲に絶対の自信を持っていたディオスであったが、虎の子の神鋼鉄すら上回る装備を持つ悠達相手に敗戦濃厚となり、進退窮まったと判断したマッディはディオスを殺害、それを核に更に凶悪な『殺戮獣』を呼び出した。
異常なまでの『殺戮獣』の不死身ぶりは悠の『火竜ノ槍』にすら耐え切り、一転危機に陥ったアルトを救う為にルーレイが負傷し瀕死の深手を負う。
ハリハリの尽力で一命は取り止める事が出来たが、重体のルーレイを助ける為に悠は短期決着を決意し、スフィーロの助力で『殺戮獣』を操るマッディを撃破、それに伴い『殺戮獣』も消滅しディオスの野望は潰えた。
同じ頃、フェルゼンのアランも先代の作った罠によって招き入れた貴族達を殲滅し、街の外に残っていた貴族達も洩れなく片付ける事に成功していた。
『ミーノス動乱』と名付けられたこの事件の後、ルーファウスは衆人の中で今後の国の方針を宣言、監察官の設置や学校の創設など、悠の意見を取り入れた様々な政策を発表。戸惑っていた民衆だったがその最中におこったディオスの息子タルマイオスの暗殺未遂によってルーファウスの考えの正しさを知り、ルーファウスは一定の支持を得た。
また、意識を取り戻さないルーレイに注射器による治療を行い、更に正気を失っている現国王ルーアンとルーファウスの対話を実現させ、ルーファウス王としての確固たる思いを固めさせた。
後日、悠の魔法で半壊したマンドレイク邸を捜索した悠達だったが、そこにマッディの死体は無く、またタルマイオスの部屋からはアライアットの国教である聖神協会のペンダントが見つかるなど、事件が完全に解決したとは言えない事を知るのだった。
ルーレイの治療や事件の処理に一段落した悠はナターリアに呼び出されてアザリア山頂に赴くが、そこで悠を待っていたのはナターリアだけでは無く、密かにその動きを探っていたエルフ女王アリーシアと険悪な状態になってしまう。
一応宥める事に成功した悠だったが、そのあとにハリハリが旧知の2人に正体を明かしアリーシアは激昂、再び一定の距離を置く事になる。
当初の目的だったダンジョンでの戦闘訓練を行う悠達であったが、その最下層にて種族を偽って悠達を追い払おうとしていた吸血鬼シャロンとデュラハン(首無し騎士)ギルザードを紆余曲折の末、屋敷に保護する事になる。
そしてその晩、遂に『心通話』が蓬莱に届き真と交信する事が出来た悠は『隔界心通話』を会得した。
多少は分かり合えたが、まだ頑ななアリーシアと再会を約束して別れた悠達が去った後のアザリア山頂に飛来する影。それは以前退けたサイサリスとその後を追って来たウェスティリアであった。2頭のドラゴンは『変化』で人化し悠を求めてミーノスの国に潜入する。
悠達が帰るとルーレイはすっかり回復し、その勢いのままアルトを女性だと勘違いしてプロポーズに踏み切るが、玉砕。今後の為に悠の下で学び、共に暮らす事になった。
新たな仲間を加え、悠は年の終わりを迎えつつあった・・・。
これで第六章終わりです。次回からは第七章が始まりますぜ。




