第六章用語解説 《登場順2》
続きですー。
罠
ダンジョンの罠は正確には魔力罠と呼ばれ、魔力によってその機能を維持している。罠は多種多様であり、主に部屋や宝箱に仕込まれている事が多いが、傾斜地で作動する巨岩落とし(ローリングストーン)なども存在する。
魔力で稼働している為に、魔法によって看破や解除も可能である。
デュラハン(首無し騎士)
基本的にランクⅤ(フィフス)~Ⅵ(シックスス)の強さを持つ魔物。首が胴体から遊離した騎士の姿をしている。
弱点は頭部であるが、鎧を完全に破壊される事でも死亡する。デュラハンにとって鎧はただの防具では無く、重要な体の一部なのである。それを示す事例として、高品質な鎧を纏うデュラハンほど強い傾向にある。
頭部は自身の髪を自在に操る事が可能で、基本的にデュラハンは体との連結を髪によって行っている。
また、頭部が離れた状態で胴体だけ動かす事も出来るが、その距離に応じて弱体化する性質を持つ。
『闇鞭』
デュラハンが使う闇属性魔法。命中すると視界が暗くなり、特に目に直撃すると完全な盲目状態に陥る。
『凍土』
水属性魔法の一つ。地面を凍結させる。
『石封』
対象の足元の地面に干渉し、対象を石に封じ込める土属性魔法。アリーシアは土属性を苦手としているのでそれほど強い効果は発揮しないが、得意な者であれば体全体を石に閉じ込める事も可能である。
「いしのなかにいる!」
吸血鬼
伝説の魔物。『吸血』によって眷属を増やす事で爆発的に増大する。
吸血鬼になる方法は2種類あり、一つは他の吸血鬼による『吸血』、そしてもう一つが『真祖』の才能を持つ者が死亡する事による転生である。
特に後者は強大な力を有しており、感染によって生まれた吸血鬼とは桁違いの能力を持つ。主な能力としては常時発動している『魅了』、『殺戮獣』に伍する再生能力、膨大な魔力と筋力、そして敏捷性、麻痺効果を有する『邪眼』など列挙に暇がない。
その反面、制御能力に乏しく、特に『吸血』後は暴走してしまう事が多い。
『吸血』
この行為自体を行う魔物は少なくないが、ここでは吸血鬼の物と分けて表記する。
通常の『吸血』は単純に生物の体内の血液を何らかの方法で吸飲する事を指すが、吸血鬼の場合はそれに加え眷属たる吸血鬼への感染、『吸血』によっての能力向上が含まれる。
吸血鬼が『吸血』すると身体構造を変化させる浸食性の魔力(魔法)を対象に送り込み、その身体構造を変化させて吸血鬼にしてしまう。
また、『吸血』を行った吸血鬼は身体能力が向上し、更に強力な存在に変化する事が可能になる。
しかし『吸血』は暴力衝動と破壊衝動をも呼び覚まし、吸血鬼の暴走を助長する。
『魅了』
対象の敵対心を緩和し、催眠状態にする魔法。悠達に効果を発揮しなかったのはシャロン自身が緩めていた為と、全員が厳しい精神修行を乗り越えて来た賜物である。
ゾンビ(屍鬼)
腐乱した死体として復活した魔物。特殊な能力は一切無いが、力はそれなりに強く、噛みついて攻撃して来る。
バンシー(泣き女)
女性の霊体が素材となっている魔物。常に涙を流した顔であり、その叫び声には精神を掻き乱す効果がある。まれに意志の疎通が可能な個体も存在する。
サキュバス(夢魔)
人間の精神を吸収する魔物。美しい外見をしている事も多く、魔物だと分かっていても討伐に二の足を踏んでしまう者も多い。
魔物としてはそれなりに格が高いがランクの個体差が非常に大きく、Ⅳ(フォース)~Ⅷ(エイス)の個体まで幅広く存在する。
『真祖』
吸血鬼になる才能。この才能も持つ者は死んだ時に吸血鬼として転生する。
現代では第二級禁忌指定の才能であり、死ぬ時は大規模な攻撃魔法で完全に焼却する事が通例となっている。
第一級禁忌指定でないのは即時処刑すると吸血鬼になってしまうからであり、実質的には第一級禁忌指定となんら変わりが無い。
『魔法鎧』
エルフの精鋭が身に着ける鎧。幾多の機能が搭載されており、魔法の自動化、身体能力の向上、魔法干渉力の軽減などどれも強力な効果ばかりである。
弱点は魔力の消費が激しい事で、エルフは決戦兵器としてこれを用いる。製作者は200年ほど前のハリハリである。
『変化』
ドラゴンが謎の女に伝えられた魔法。ドラゴンの強さを維持したまま人間の姿に偽る事が出来る。この魔法を得た事によって、ドラゴンは人間社会へと侵入して来たと推測されている。
『閃裂脚』
片足立ちになり、蹴りを振り被らずに膝から下だけで連射する技。悠の龍鉄の靴で行えば余裕で人間程度はクラゲの様になってしまうだろう。
『竜墜天・背撃襲』
亜梨紗が使う『竜墜天』と京介から教わったオーバーヘッドキックを合わせた技。『竜墜天』は溜めが大きいのが難点であったが、腕より強力な足を使う事で溜め時間を縮小している。
『真式魔法鎧』
ハリハリ、カロン、カリスの3人で合作した『魔法鎧』の進化形。6属性の攻撃手段、より高い魔力抵抗、優れた防御力と、全ての点で『魔法鎧』を凌ぐ能力を持つ。
まだまだ隠れた力がありそうだ・・・。
精霊鋼
魔力伝達能力に非常に優れる、カロンが作り出した新合金。材料は妖精鋼と神鋼鉄である。
『真式魔法鎧』は内部にこの合金を彫金されており、たとえ『災禍の嵐』の中に居ようとも問題なく魔力を伝え、刻印による魔法陣での魔法行使を可能にしている。
次のあらすじで終わりです。




