第六章用語解説 《登場順1》
用語です。参考にどうぞー。
『千里蝶』
上位諜報魔法。『盗聴』と『遠見』の両方の特性を取り入れてハリハリが200年ほど前に作り出した。術者の目となり耳となる魔力で作り出した蝶を対象付近に漂わせ、その情報を術者に送り込む。
尚、千里と名が付くが射程距離は精々50メートル程度である。
『無貌のアラン』
先代フェルゼニアス公爵時代、その右腕として辣腕を振るったアランを指す二つ名。感情を覆い隠す白い仮面を被った時のアランに情け容赦は微塵も存在せず、数多の敵対勢力を実力を持って葬って来た。
『鋼鉄の薔薇』騎士団
ミーノス王国の正騎士団。騎士団長ベルトルーゼを頂点とし、ジェラルドがその補佐を行う。保有兵力は1万程度で、ノースハイア、アライアットに比べると格段に少ない。
『迷彩』
ルーレイが開発した光魔法。光を歪曲させてほぼ透明になれる。だが、完全透明化、気配遮断、存在認知度抑制の効果を持つ『透明化』に比べると格段に難度が落ちる魔法である。
『殺戮人形』
ディオスに反旗を翻す事を決意させた、人間を材料に作る傀儡人形。圧倒的な不死性と強靭な肉体を持ち、命令には決して逆らわない、まさに兵器として最適な機能を有する。また、更に高位の存在である『殺戮獣』の材料にもなる。
ケイブキャタピラー
洞窟に住む、手の平サイズの毛虫の様な姿の魔物。単純な強さという意味であれば子供でも殺せる程度だが、その弱さを本能的に理解しており、常に毒を吐いて周囲の空間を毒化している為に近付く事すら困難である。
この魔物の吐く糸は火や冷気、衝撃にも強く、一般的な兵士が放つ矢くらいでは貫通出来ない高級な防具の材料になる。
『堕天の粉』
睡眠、麻痺効果を持った紫煙状の物質。吸い込むと同効果に侵される。
しかしその真の効果は対象を行動不能にするのではなく、睡眠効果を発揮しない対象を殺害する事で『殺戮人形』化させる事である。
その発生源としてマッディは紫色の水晶を用いていた。
ドラゴンの肉:追記
ドラゴンの肉の筋力増強効果は既に知られているが、その効果が内臓器官にまで及ぶ事を知る者はごく少ない。悠達はこれを恵の『家事』の能力で更に効果を高め、毒殺に対する備えとした。
『車輪陣』
シュルツの剣技の一つで、飛び込んで来る相手に対するカウンター技。その場で高速回転して相手を切り刻む。
『殺戮獣』
適応個体の『殺戮人形』を核にして周囲の『殺戮人形』を取り込んで作り出す外道の法。
分厚い鎧の様な黒い外骨格の装甲を持ち、背中から尾に掛けて1メートルほどの鋭利な白い突起がズラリと生えている。四足の爪も長く鋭く、その体長は目測で7~8メートル。四足の獣の様な姿をしている。
力も速度もドラゴン並みで外骨格もドラゴンの鱗と同程度の硬度を持ち、加えて血液は強酸性、無限に近い再生能力も有している。
『殺戮獣』自体に弱点は存在しないが、それを操る紫水晶を破壊されると消滅する。
『石流波』
地属性と水属性の混合魔法であり、本来は単純に全周の地面を波立たせて敵や障害物を押し流す魔法であるが、ハリハリはその威力を弱め、一気に貴族達を纏め上げるという方法を用いた。
『火竜ノ槍』
ハリハリがレイラと共に開発した悠専用の火属性魔法。最初は『火竜槍』と名付けられたが、ドラゴンの音の響きを悠が嫌って改名された。
原理としては単純に火力を集中しただけの魔法であるが、その破壊力は強大であり、ただ一撃を持って『殺戮獣』の大半を吹き飛ばし、更に屋敷を貫いて半壊させた。また、エルフ女王アリーシアの得意魔法を相殺するなど、悠の頼もしい攻撃手段となった。ハリハリのアレンジによって使用する竜気も抑えられている。
『夢幻絶影』
バローが新たに創造した奥義。単発だった『絶影』を連発で放つ事を可能とし、剣による結界を構築する。
『治癒四重奏』
ハリハリが悠の要請で行った超高位回復魔法。同種魔法を共鳴させ直列に起動し、更に悠の出力任せの『治癒』と連弾させて瀕死のルーレイを癒した。その反動は強烈で、5秒の維持で世界有数の魔法使いであるハリハリが意識を保てなくなるほどであった。
水牢
古来から伝わる水責めの一種。牢を水によって満たし、捕らえた者を溺死させる。
罠としての場合は完全な殺害目的である事が殆どだが、人間が設計する場合は相手の恐怖心を煽り、屈服させたり自白を強要する時に用いられる事もある。
その為、恐怖心を煽る為に水の注入口は上部に設計されているのが常であるが、フェルゼニアス邸の物は水の圧力を利用し、暖炉にカモフラージュした注入口から水を入れる仕掛けになっている。
排水は暖炉の薪が乗る部分が開き、水と溺死体を排出する。
『重奏』
個人で魔法を並列に行使し、連弾を行う行為。特に回復魔法は単体で効果が高い魔法が開発されておらず、重い怪我の治療には連弾が必須である。
尚、行使に当たっては膨大な集中力と魔力制御を必要とする為、現在ハリハリ以外に『重奏』を使える者は存在しない。
『風車壁』
シュルツの対飛び道具防御用の剣技。シュルツの剣は柄尻がもう一方と連結出来る様になっており、その連結した剣をバトンの様に回転させて障壁とし、飛来物を防ぐ。
注射器
悠がルーレイを治療する為に持ち込んだ異世界の薬液注入用の医療器具・・・というと大層であるが、要は単なる注射器である。
針の加工と完全密閉性が肝であるが、手先の器用なカリスの手によって完成した。
聖神教会
アライアットの国教として知られる宗教または宗教組織。元々はそれほど大きな力を持ってはいなかったが、アライアットがノースハイアに押されるにつれてその勢力を飛躍的に拡大し、今や王家すらその意向を無視出来ないほど強大な組織となった。
それに伴い活動も過激化しており、異教徒狩りと称して『異邦人』を同じ人間とは見なさず、その虐殺を推奨している。
『風縛砲』
風属性の魔法を得意とするアリーシアが良く使う中位風魔法の一つ。凝縮した風の塊で対象に打撃を与える。
その最大の特徴は周囲の大気を吸引しながら対象に迫る事で、相手はその吸引力のせいで回避が困難になる。
『風塵衝』
アリーシアの切り札の一つ。風属性と闇属性の混合魔法で命中した対象を風化させる。有機物無機物の区別なく効果を発揮する為、まともに食らえば白骨化を通り越して塵と化す強力な魔法である。
ハリハリの作り出した魔法の中でも殺傷能力が高い物の一つである。
次も用語ですよー。




