第五章 あらすじ
魔物の狂乱の原因であったドラゴンを排除した悠達はその名声を益々確かな物にしていったが、ドラゴンは世界各地にその痕跡を残しており、拠点の防衛力に不安を感じた悠はレイラの固有能力『竜ノ微睡』(限定空間内の時間を極端に遅らせる技)にて仲間達を鍛える事を決意する。
悠の言葉にビリーやミリーは反対の立場をとったが、子供達の熱意に押され、全員の承諾の下、満場一致で『竜ノ微睡』か可決された。
悠は修行に入る前段階の準備を済ませ、この機にミーノスの裏社会の改革に取り組み、メロウズと通じて身分を『鬼面のラクシャス』という謎の義賊に偽り、悪辣な組織の排除を敢行、無事に成果を上げる。
それと並行してギルドで行われる事になった合同訓練の教官を務め、シュルツ、リーン、ジオ、サティ、そしてギャランらと言った若者達と絆を繋ぎ冒険者の意識改革に乗り出し、『外道勇者』の悪名を持つサイコの乱入などがありつつも一応の成功を収めた。
そんな悠達の背後に跳梁するマンドレイク公爵の監視の目をかわしつつ、アルトからマンドレイク公の誕生パーティーにローランらが招待された事を知り、悠は警戒を強めていた。
その晩行われた『能力鑑定』で恵、明、蒼凪、アルトと順調にその特性を把握していく悠だったが、最後の悠の番になった時、『能力鑑定』を行っていたエリーの様子が急変。急遽取り止めとなり、悠の『能力鑑定』は不首尾に終わってしまう。
マンドレイク公爵の監視を問題視した悠は新たに仲間となったシュルツに密偵を捕らえさせて誤情報を流し、更に監視が外れた隙にカロン親子をミーノスから脱出させて拠点に匿い、メロウズを使って情報の収集と霍乱を試みる。
ミーノスでやる事を済ませ拠点を目指す悠達だったが、そこに予想外の人物が現れる。
それは魔法によって姿を隠していたハリハリとリーンであったが、同道に難色を示す悠にハリハリは手合わせを要求、悠もそれを受けるが、ハリハリが指輪を外すとそこに現れたのは一人の端正な顔立ちを持つエルフであった。
ハリハリはその場の誰もが驚嘆する魔法戦闘力で悠と相対するが、戦闘巧者の悠に敗北。しかし、その想いに後ろ暗い所が無いと感じ取った悠はハリハリとリーンの同道を許可し、魔法のスペシャリストを得た。
新たな仲間を加え、束の間の休日をフェルゼンで過ごす一行。ミレニアや街の者達と交流しつつ過ごす一行が神楽の鼻を頼りに偶然立ち寄った定食屋で気難しい老婆、ベリッサと出会い、その問題を解決、恵は実は高名な料理人であったベリッサの調理メモを手に入れ、子供達の健康を託された。
そして始まる修練の日々。当初は覚悟が甘かった明以外の年少組の4人であったが、蒼凪の厳しい指摘とその実践を見て自分達の甘さを悟り、厳しい修行の毎日を乗り越えて行った。
ハリハリが魔法と勉学を、悠が戦闘技術をと役割分担し、カロン親子は鍛冶の研究、恵は『家事』の能力を活かした食事によって1年が経過する頃には子供達は急激な成長を遂げ、遂に模擬戦闘にて悠から一本をもぎ取る。
悠は拠点の防衛能力の強化が成されたと確信し『竜ノ微睡』を解除。来たるべきマンドレイク公の誕生パーティーでローランを護衛すべく、バロー、シュルツ、ハリハリを先に王都に派遣し、自らはアルトを伴ってフェルゼンへと戻った。
街に着く直前に魔物に襲われていた商人、ダイクを助ける為に戦ったアルトは3体のゴブリンを一蹴。自身の成長の手応えを掴む。
その勢いのままアルトは成長を確かめる意図の下、ローラン達の前でアランと交戦。見事に成長の証を見せ付けた・・・とアルトは喜んだが、悠とアランの様子から自分の慢心を自覚、増長しかけた心を戒めた。
順調に進んでいる悠の計画であったが、マンドレイク公とその子飼いであるカーライルもまた必殺を期した奸計を練って、悠達を待ち受けるのだった。
果たして悠は無事ローラン達とフェルゼンを守り切る事が出来るのであろうか・・・。
これで第五章は完璧っ!
次章は閑章です。




