第五章用語解説 《登場順1》
用語や概念、注釈などです。想像の参考にどうぞ。
枯渇現象
急激な魔物討伐の後に起こる、魔物が極端に少なくなる現象。時間経過で元に戻っていく。
戦塵
悠とベロウに付けられたパーティー名。いつの間にか公称になった。
由来は2人が通った後は塵しか残ってないとか、行った場所が戦塵に塗れるなどという目撃者の証言から自然に発生したらしい。
後に、古い慣習を打ち砕き塵に帰す改革者として認識される様になる。
5章の後半でシュルツ、ハリハリも加入した。
ドラゴンの素材
ドラゴンの項での記述通り、ドラゴンの体に売れない場所は無い。全てが高品質の武器、防具、魔法薬、魔法の触媒などの材料になり、また慢性的に在庫は不足している。特に鱗は多数手に入るので人気が高い。
その一部の利用法をここに記すと、
目・・・看破系魔法の効果拡大、魔法薬の材料(視力拡大、隠された物品の発見率増大、視覚魔法無効化)
鱗・・・防具の材料(鎧、盾、靴など)、魔法薬の材料(防御力増大、魔法耐性向上)
血・・・魔法の触媒(陣の作成)、魔法薬の材料(各種魔法薬の効果向上)、食材(体力増強効果)
牙・・・武器の材料(槍、拳など)、魔法の触媒(龍牙魔導兵の召喚・使役)
骨・・・武器(幽体系に特効)、防具(各属性に30%の耐性)、魔法の触媒(龍骨操騎兵の召喚・使役)
肉・・・食材(筋力増強効果)
これ以上列挙するとキリが無いのでここまでにするが、この様に戦士、魔法使い問わず利用法があるので金銭的価値は非常に高く、また貴族も美術品としての価値を認めて収集している者も多数存在する。
追記:『竜ノ微睡』
レイラの固有能力にして悠がこれほどまでに他者と隔絶した強さを得るに至った源。
隔離結界で一定範囲内を世界から隔離し、内部の時の流れを意のままに操る事が出来る。
その際、物質体に干渉して肉体的な変化を抑える事で不老や睡眠・飲食が不要な体に設定する事も可能だが、その場合は筋力などの成長も無くなる。
子供達に施した際には物質体に干渉していなかったので、子供達は無事身体的にも成長する事が出来た。
また、悠がどのくらいの時間を『竜ノ微睡』に費やしたかは依然として不明であるが、少なくとも10年、20年程度では無いと推測される。
ギルドの試供品
ギルドでは本格的に新商品を販売する前に冒険者にその使い勝手を試させる制度が存在する。
上手く行けば高性能の商品を手に入れられるチャンスだが、新商品ゆえに不良品や欠陥品である可能性もそれなりに大きい。
また、使用後のレポートの提出が義務付けられており、その観点から簡単に冒険者に死なれては困るので、購入はⅤ(フィフス)以上の冒険者に限られている。
メロウズファミリー
職人街の一帯を統括していたバラックの地盤を受け継いでメロウズを頭に再出発した新興の組織。
武闘派では無いが、如才ない立ち回りで若手の注目株として台頭して来ている。構成員は一定以上の貢献が認められると月を模した刺青を入れる権利を得、その部位によって担当する役職が異なる。
五章にて各種武闘派組織が『鬼面のラクシャス』に壊滅させられた際、他の組織を守った事で一躍裏社会のカリスマに躍り出る事になった。
魔金
主に武器や防具の装飾に使われる希少金属。金より硬度が高く、また劣化しない為に珍重されている。
厳鋼鉄
単体では神鋼鉄に伍する硬度を持つ、非常に硬い金属。ミーノスの東側、ガラリヤ山などの火山帯で稀に鉱石が出土する事がある。その希少性と有用性から、爪の先ほどの量でも金貨50枚と非常に高額。
ギルドで販売しているが、移動、販売にはギルド長の許可が必要である。
妖精鋼
特に硬度は高く無いが、非常に魔力を通しやすい性質を持つ希少金属。その特性から、魔銀とは非常に相性が悪い。
魔道具の本体部分に使われる事が多い。
余談だが、名前の由来はドワーフの生息地域で魔銀が良く産出される為、魔銀をドワーフに見立て、それと相性の悪い妖精鋼をエルフに見立てたのが由来である。
冒険者ランクⅨ(ナインス)
一般的な冒険者が辿り着けるランクとしては最高のランクであり、超一流である事の証。
Ⅷ(エイス)の冒険者とは異なり、ギルド本部の試験を突破する事でしかそのランクを得る方法は無く、Ⅷは居てもⅨが殆ど居ない原因である。
試験を受けるにはギルド長の推薦が必要であり、余りに不適格な人物を推薦するとギルド長が罷免される場合もあるので賄賂などで推薦を勝ち取る事は出来ない。
イカサマ
不正な手段を用いて相手を欺く手法。名言として「バレなければイカサマではない」などがある。
ちなみに、悠がジオに対して使ったイカサマは、カードの温度変化を用いたもので、カードの特定部位を指で温める事で相手のカードを見抜くという方法。カードが残り少ない時ほど効果的。
反面、相手がその部分を隠して触れなくしてしまうと使用出来ない、運任せで不確実なイカサマでもある。他に防ぐ手段もいくつも存在する為、気休め程度のイカサマ。
尚、友達同士でやると喧嘩になるので使用は控える様に。
ミストローブ
身に纏う事で他者に認識され難くなるローブ。透明になる訳では無い。
百景布
周囲の風景に溶け込んで見えなくする布。光学迷彩に近い。また、気配などは隠せない。
常闇の腕輪
あらゆる魔法看破を防ぐ腕輪。
双車輪
シュルツ双剣流の奥義。体を独楽の様に回転させて相手に飛び掛かり、その勢いのまま相手を切り刻む。悠に対して使用したが、間合いが遠く回転力が僅かに落ちた所を狙われて破られる。
双竜牙
竜騎士格闘術の一つ。簡単に言えば左右の中段蹴りだが、その内実は少々異なる。まず左右どちらかの攻撃を当てて相手を逆側に飛ばし、その相手をまた逆側へ蹴り返すというのが技の骨子である。本命の一撃は威力が数倍になり、またガードも甘くなる為に防ぎ難い。
とにかく速度を要求される技であり、神奈が悠に伝授されている。
投げ矢
一般的には全長15~20センチ程度の、先端に針が付いた投擲武器。冒険者が使う場合は先に毒を塗って使う事が多い。
作中のギャランはこれを独自に改良し、音の出にくい物を使っていた。
飛翔斬壊剣
シュルツ双剣流の奥義。高所から相手に飛び掛かり、双剣で相手の得物を挟み込んで破壊する技。当然、武器では無く首を狙えば首が落ちる。活人剣にして殺人剣。バローとの戦いで使用し、『絶影』と衝突して引き分けた。
『剛剣』
剣の攻撃力が上昇する才能。
『剣匠』
剣の攻撃力が中上昇し、また剣技の習得も早くなる才能。敵の弱点などが感覚で掴める様になる。
『剣聖』
剣の攻撃力が大上昇し、また剣技の習得が非常に速くなる才能。『先読み』や『清浄なる気』、剣匠より精度の高い『弱点把握』など、成長すると益々隙が無くなっていく。
追記:能力鑑定
能力鑑定はその発現の仕方が個人によって異なる。文章的に表示される者もあれば、エリーの様にイメージで描写する者も居る。
だが、大抵の者は見ている間、忘我状態になる事が多い様である。これは通常の人間が人の運命を読み解くという事が精神に大きな負担を掛ける為、いわば安全装置そして忘我状態になるのではないかと考えられている。
また、悠の様に一般的な人間と異なる人生を歩んでいる者を見る事は危険とされる。通常はその様な時には周囲で監視する者を置き、暴走状態になったら魔法で強制的に遮断するのが常である。だがこの事は一般には知らされておらず、暴走する確率も1000万分の1以下の確率である為にその様な体験をする者自体が極稀。
更に才能や能力には禁忌指定が成されている物があり、第3級禁忌指定で生まれた国からの移動の厳禁、第2級禁忌指定で一生監視下での生活の強要、そして第1級禁忌指定で即刻処刑である。
『家事』
家事全般に補正が付く才能。炊事、洗濯、裁縫、掃除と家事に関わる作業の勘所を掴み、効率を上げる。
一見、使い所が無さそうな才能であるが、女性は結婚したら家に入るという感覚がまだ根強いアーヴェルカインでは非常に重宝されており、この才能の持ち主は結婚や就職に困る事が無い。
また、冒険者間でもこの才能の持ち主が居ると冒険中、様々な雑事を効率よく行って貰える為に引く手あまたである。
何故か女性にしか発現しない。
『勇気』
持つ者が諦めない事を条件として全ての能力に補正が掛かる才能。その性質上、危険や困難な状況になるほどにその力を発揮する。
アルトが所持しているが、修行によって軽い負荷でも『勇気』を発動させる事が出来る様になった。
才能は使い込む事でその効果を増大させる。その為、アルトの潜在能力は未知数である。
『破壊者』
第1級禁忌指定の才能。アーヴェルカインの歴史上、ただ一人だけ過去にこの才能の所持者が存在し、その時代、アーヴェルカインの人口は種族を問わず激減したと伝えられている。
『盗聴』
見えない糸の様な魔力の糸を繋ぎ、盗聴したい部屋の壁から糸電話の様に内部の声を聞き取る魔法。この魔法を遮る為に、城の会議室などの重要施設は魔力を阻害する薄い魔銀で覆われている。
一般的な使用は制限されており、街中で使用している事が分かれば即拘束されてしまう。




