第四章用語解説 《登場順3》
更に続きます。
『魔力回復薬』
魔力を回復する魔法薬。
魔力と結び付き易い薬草や魔物の素材をすり潰し、純粋な魔力を封入してある。
『治癒薬』より一般的では無いが、魔法使いには必携の品。
アザリアの町でクエイドが悠達に渡したのは町の防衛用に備蓄されていた物。
ブレス(吐息)
ドラゴンの最も有名な攻撃方法。属性や威力はドラゴンにより異なる。
その威力はレベルの低い硬質系結界では防ぐ事は不可能である。
しかし、反面弱点となる部分もあり、溜めに時間が掛かり過ぎる事、仰け反る為に視界が失われる事、体内で収束する為に攻撃の瞬間自分も危険を伴う事、竜気の消耗が激しい事などが挙げられ、上級者はそこに活路を見出す。
『魔法鎧』
世界に名高いエルフ魔法戦隊の強さを支える鎧。
エルフでも装備出来る重量でありながら、物理防御力向上、魔法防御力向上、魔法威力向上、回復力向上、身体能力向上と戦闘に利する5つの能力向上が付加されている、エルフの主力兵器でもある。
各種能力向上には魔力が必要であり、5つを平行励起するには莫大な魔力が必要となる。その為、強力ではあるが、持久戦には向かない。
アリーシアは国王専用の更に効果の高い『魔法鎧』を所持しており、単騎で一軍に比肩すると恐れられている。
エルフの風習
エルフは生殖能力が弱く、滅多に子を成さない。その様な背景から、結婚相手は熟慮に熟慮を重ね、長い交際期間を経てようやく結婚へと至る。
それゆえ、エルフは身持ちが堅く、身体的接触すら最小限に留めており、口付けなどは通常家族以外では結婚を決めた相手に対してしか行わない。
また、異性に贈り物をするという事はプロポーズに等しく、特に身体に身に着ける品は「あなたといつまでも共に在りたい」という意思表示として受け取られる。
ナターリアが『伝心の指輪』を誰かに渡したという事に気付いたアリーシアが邪推したのもこうした背景があっての事である。
ドラゴンの社会
クレイドルマウンテンで国家としての体裁を持つドラゴンは龍王を頂点とした独裁制である。
ドラゴンに年功序列の概念は無いが、基本的に古い個体ほど強力であり、スフィーロは変わり者ではあってもドラゴンの中ではかなりの強者として知られていた。
スフィーロ曰く、龍王の命によって斥候としてアザリア山脈に派遣された様だが、詳細はまだ不明である。
『変身魔法』
スフィーロが使った人型に変身する魔法。他の誰も知らない事から、ドラゴンの固有の魔法ではないかと思われる。
人型になっても本来の力を損なう事は無いが、それはあくまで身体的な力であり、実際は人型である制約を受ける(関節の可動域や技術は人型に準拠する)。
現在、レイラが密かに解析中。
『心通話』:追記
基本的に『心通話』は特定の対象にしか聞く事が出来ないが、習熟した者は周波数を調律する事で盗聴する事が出来る。また、盗聴出来ない様に暗号化も可能。
また、悠の『心通話』の能力は日々向上しており、現在は人間の活動域ならば全域で蒼凪やミレニアと交信可能となっている。
『竜ノ爪牙・強制転化』
融合奥義の一つ。対象の龍やドラゴンの肉体を分解し、『竜器』として再構成する技。竜ノ爪牙の発展形。
便利な奥義に見えるが、味方の竜であればこの様な技を使う必要は無く、また敵対している存在に使用して『竜器』に変えてもそもそも助力を得る事が出来ないので意味が無い。
今回はスフィーロが邪悪な存在では無いと感じ取った悠が一時の封印のつもりで使用した。
自分より強い相手に対しては使用出来ず、また、対象があまりに脆弱だと消し飛んで魂の消滅してしまう。
『六眼』
コロッサスをリーダーとするかつての最高ランクの冒険者パーティー。
メンバー全員がⅨ(ナインス)の冒険者であり、それぞれが「眼」に因んだ二つ名を持っていた。
6人で構成されており、現在分かっているパーティーメンバーは『隻眼』コロッサスと『氷眼』アイオーンのみ。
解散については諸説あったが、アイオーン曰く魔族との戦闘でパーティーメンバーを失った事が直接の原因であるらしい事が語られた。
『伝心の指輪』
特定の相手と『心通話』を行う事が出来る魔道具である指輪。ナターリアから悠に託された。
アリーシアがナターリアの『伝心の指輪』の紛失に気が付いたのは『伝心の指輪』の魔力が片方喪失していたからである。ナターリアはその様な微弱な魔力を感知する術を持っていない為に驚いたのだった。
『龍殺し(ドラゴンスレイヤー)』
冒険者にとって憧れの尊称。ドラゴンを倒した証である。
『龍殺し』ともなれば士官の話に困る事も無く一生安泰と断言出来る位の名誉であり、民衆からも尊敬の目を向けられる。
が、『龍殺し』を倒して名声を手に入れようとする者から狙われる事も多々あり、成り立ての『龍殺し』はその実力を示し続けねばならない。
アイオーンやコロッサスも『龍殺し』である。
エルフの政治形態
女王アリーシアを頂点とした独裁体制を布いている。
アリーシアの治世は既に300年以上に及んでいるが、未だ衰えを見せず、権力に翳りは見られない。
が、エルフは自信家で傲慢な者が多い為、密かに王位を狙っている者も皆無では無い。
貴族も存在しており、ナターリアとの婚姻によって一族を王家と縁戚関係にと狙っている者はかなり多い。
第四章で死亡したキース、ムラー、ハイラックもそうした家の意向を受けてナターリアの護衛についていた。
完了です。次のあらすじの後、第五章を始めます。




