第四章用語解説 《登場順1》
用語や概念、注釈などです。想像の参考にどうぞ。
『蓬莱』の将軍職
蓬莱の軍は前線で戦う戦闘部と後方で作戦立案、兵站整備を行う情報部に分かれている。統帥権は皇帝である天津宮 志津香が持つ。
少し前までは戦闘部も情報部も『竜騎士』がその将を務めるのが習わしであったが、悠と雪人のコンビによる戦果が目覚ましかった為に、雪人が『竜騎士』では無い人間では初めて情報鳳将として軍上層部に抜擢され、その後も戦功を積んで最高峰の情報竜将にまで上り詰めた。
その後雪人は情報部の改革を行い『竜騎士』以外からも有為な人材を発掘し続け、悠の活躍を裏から支えた。・・・と雪人に言うと怒る。
海竜魚
海に棲む巨大な蛇の様な魔物。海を棲家とする魔物は概して討伐が難しく、ランクⅥ(シックスス)を与えられている難敵。
その体は多様な用途があり、もし倒して持って帰れればかなり美味しいが、そもそも倒しても牽引するのも難しい。
悠が京介に買ってあげた浮き袋は非常に弾力性に富み、打撃などの衝撃吸収材として防具に使われるのが普通である。
植物図鑑
著名な植物学者によって書かれた図鑑。製紙技術が未熟な為に紙が大量生産出来ず、基本的に本は金貨1枚以上からが相場である。
ちなみにこの本は挿絵も丁寧に描かれている為、金貨15枚と高額。
『治癒薬』
体力や体調、血液などを補う事が出来る魔法薬。効果の高い『中位治癒薬』、『高位治癒薬』などがある。
冒険者は最低一本は持っておきたい品である。
『能力鑑定』の弊害
自分の才能を効率よく伸ばせる『能力鑑定』は非常に便利な反面、該当する才能以外の努力を怠らせるといった弊害も招いている。
これは貴族や富裕な市民に多い事例で、ある魔法はとても上手く扱えるのに、それ以外の属性は初歩すら知らないなどといった者が増え続けている。
近年になってその弊害が指摘され始めたが、依然として所持才能のみを磨く者が後を絶たないのが現状である。
『同道返し』
ノースハイア流奥義。一端斬撃を通した場所を、今度は逆から斬りつける。
一撃をやり過ごしたと思った相手の隙を突く技である。
『絶影』
ノースハイア流最奥義。
『重破斬』以上の重さと影すら付いて来れないその剣速は、ノースハイア流幻の技として伝わっている。
しかし近年では『絶影』を使用出来る者は居らず、名を高める為に後世の者が創作して書き残したのではないかと思われていた。
「『絶影』極むればそれ剣影絶えて何者の目にも映らじ」という言葉通り、態勢を崩していたとはいえ悠に回避では無く防御をさせざる得ないほどの奥義であり、ベロウはまだ完全に物にしている訳では無い。
ノワール流
ベロウ・ノワールによって創設された新しい剣の流派・・・になる予定。恐らくノースハイア流の発展形を目指しているのだと思われる。
花の都フェルゼン
フェルゼンがこう呼ばれるようになったのはローランが後を継いでからの事である。権威を誇示する様な自分の実家を嫌ったローランは何とか街に上手く溶け込ませられないかを考え、ミレニアと相談して街の上層部に花を植える事を思い付いた。
結果、それを見た旅人や訪れる貴族や商人の間で話題となり、多くの観光客を集めている。
ゴブリン(小鬼)
キングオブザコ・・・と思いきや割と危険度の高い魔物である。それは稚拙ながらも道具を使う事と集団戦闘を仕掛けて来る点にあり、ランクは単体ならⅠ(ファースト)であるが、2~9匹でランクⅡ(セカンド)、10匹以上だとランクⅢ(サード)となる。
また、豊富に上位種が居る事でも知られており、群れで出会った中にホブゴブリン(亜小鬼)やゴブリンメイジ(魔道小鬼)などが混じっているのを見逃して殺される冒険者も多い。
繁殖力も強く、ほおっておくとあっという間に増えてしまう。
尚、ゴブリンには雄と雌がおり、人間と交配したりはしない。
オーク(豚鬼)
キングオブ食材。力は強いが頭は悪く、豚の様な頭部を持つ魔物。色々な意味でゴブリンより美味しい。ランクは個体差があるがⅡ~Ⅲ程度。
その肉は柔らかく、一般人では中々食す事が出来ないが美味しい。
ちなみに一番オークの肉を食べていた小雪は何の肉かを知らない。豚かな? と思っている。
そしてオークは全て雄であり、他種族の雌と交わって数を増やす為、女性からは大層嫌われている魔物である。
ジャイアントラット(大鼠)
文字通り大きい鼠。大体猫くらい~犬くらいのサイズである。数が増え過ぎると農作物を荒らしたり伝染病を媒介したりするので中々侮れない相手。冒険者は見つけ次第狩る事を推奨されていて、その報酬もゴブリンなどよりも高い。
ランクはⅠで、初心者でも狩れる為、冒険者になったばかりの者達には人気がある。
ジャイアントボア(大猪)
大きな猪で牙が普通の猪よりも発達している。大きさは2~3メートル程度と大きい。
ランクはⅢであり、肉食の為に肉に臭みが強く、オークより美味しくない。
オーガ(大鬼)
毛皮を纏った人間に近い容姿をした種族。2~3メートルの身長を持ち、知能は低く意思の疎通は出来ない。棍棒などで武装している事が多い。
力が非常に強いので一撃は強力だが、足が遅いので初心者は逃げる方が得策。ランクはⅢ。
また、オーガも雄と雌があり、雌はアマゾネス(大女鬼)と呼ばれる。
バジリスク(蜥蜴鶏)
蛇と蜥蜴、鶏を掛け合わせた様な外見を持つ魔物。ランクⅦ(セブンス)を冠する難敵で、普通は出会ったら死を覚悟するレベルである。
石化の視線や猛毒、火炎放射などの特殊能力を持っており、個体で生態系を狂わせる可能性を持つ。
バジリスクは雄で雌の場合はコカトリスと呼ばれる。
リッチ(死せる魔法使い)
死した魔法使いが悪霊化して蘇った魔物。ランクⅦの難敵。
最大の特徴は属性を持たない攻撃を無効化する事であり、魔法か属性を付与された武器でなければダメージを与える事が出来ない。
また、高い魔力を持ち、いくつかの属性の魔法を組み合わせて攻撃してくる。
稀に意思の疎通が可能な者も居るので、交渉する事で難を逃れる事も不可能では無い。確率は1%程度であるが。
エルダーリッチ(死せる大魔導士)
リッチが時を経て更に強力になった個体。ランクⅧ(エイス)の強敵。
通常攻撃無効に加え、火と光属性以外の魔法もダメージを半減する。
知能も高く、不意打ちで強力な魔法を食らえばⅧのパーティーでも一撃で全滅しかねない。
一方で交渉成功率はリッチより高く、上手くすれば魔法の知識や魔道具を授けてくれる事もある。
アザリア山脈
フェルゼンの南に位置する山脈。先代まではこの場所の資源を巡ってエルフとの小競り合いが絶えなかったが、ローランは領内の交通網を発達させる事でこの問題を解消した。
ドラゴン
厳密に言えば魔物では無い。ドラゴンは高い知能を持ち、会話も可能で尚且つ文化を持っているからであるが、はぐれた個体が人間に害をなす場合は魔物と見なされる。その場合は一番弱い個体でもⅦであり、人間が戦える限界がⅨ(ナインス)だと言われている。
体長は4~6メートルほどが目撃例としてあるが、基本的に大きい物ほど強く、多彩な攻撃手段を持つ。
特に恐ろしいのはブレス(吐息)であり、直撃すれば人間では助かり様が無い。属性も様々であり、ドラゴンと戦う場合はまず第一にブレスを封じる事、第二に広い場所で戦わない事である。
飛行能力を持つドラゴンに上空からブレス攻撃をされればパーティーの全滅は必至。進軍中の軍が隠れる所の無い草原で出くわして1000人以上が犠牲になった逸話もある。
しかし、討伐に成功した時の報酬は破格であり、ドラゴンの体で売れない物は無いと言っていい。Ⅶの最弱個体であっても金貨2~300枚は余裕で回収出来、またドラゴンを倒した者は『龍殺し(ドラゴンスレイヤー)』として周囲の尊敬を集めている。
魔物の説明が多くて魔物辞典みたいになりました。
ちょっと不手際で削除してしまったので再掲載します。抜けてないかな・・・




