第三章人物紹介3 《名前登場順3》
武器屋のオヤジ 男性:50歳
ミーノスの中央で武器屋を営む商人。エリーに勧められてやって来たが、地元民推薦というだけあって中々の品揃えを誇る。
カリス乱入の際には商人としてしたたかな面も見せたが、義理人情と商業理論を両立させられる度量のある人物である。
カリス 女性:22歳
ミーノスの職人街の外れで鍛冶屋を営む女性。武器屋で自分の武器を売り込んでいる所で悠達と出会った。
元々はアライアットで大きな鍛冶工房を営んでいたが、父カロンの腕の喪失により国を追われ、ミーノスに流れて来た。『黒狼騒動』の際に悠達と知り合い、ゴロツキ集団の頭であったバラックから救われる。
性格は猪突猛進で蓮っ葉。母親が幼くして家を出てしまったので、男弟子達が面倒を見た結果、男勝りに育ってしまった。
容姿は中の上から上の下。燃える様な赤い髪に大きな紫色の瞳を持ち、中々整った顔立ちをしているが、仕草や口調が男っぽく女性としての魅力は磨かれていない。
身長167センチ。メリハリのある体つきをしているが、鍛冶の修業の為に少々筋肉質でもある。
父に正式に教えを受けていた訳では無かったが、門前の小僧とばかりに鍛冶の腕は中々の物で、カロンに認められてからは正式に鍛冶技術を伝授されている。
お洒落や恋愛にはまるで興味が無く鍛冶一筋の鍛冶娘。その状態はまだ当分続きそうだ。
ミロ 性別、年齢不詳
ベロウが挙げた、アーヴェルカインの人間の五強の一人。類まれなる暗殺者であり、『影刃ミロ』の二つ名で呼ばれる。
『黒狼騒動』にて悠と対決し、悠に手傷を負わせた。
性格は慎重でありながらも破滅的。生と死の天秤が傾く合間に身を置く事に至上の喜びを感じている。己が人生で最高の力を持った悠を宿敵と定め、その命を狙う。非道ではあっても外道では無い、二律背反を抱えた不可思議な人物である。
容姿は不明。顔を覆う覆面を人前で外す事は無い。性別や年齢すら知られていないが、その物言いからそんなに年を取っていない男性では無いかと思われる。
慎重177センチ。非常に絞り込まれた体型で、攻撃の重さより速さを身上としている。
ミロが表舞台に現れたのは10年前からであり、その犠牲者は分かっているだけで100人は下らない。
影を刃とする不思議な技を使い、子飼いの『影刃衆』と共に暗躍するミロの目に映っているのは、悠との闘争のみだ。
キリギス 男性:年齢不詳
『影刃衆』筆頭にしてミロの右腕。ミロと共にアルトを襲った所をベロウに撃退される。
古くからミロに従っている腹心で、ミロの気が乗らない相手の始末はキリギスと『影刃衆』の役目である。
戦闘力は一流の暗殺者だが、短気で単純な性格の為に機密保持などの観点では不安が残る。
格下と侮っていたベロウに敗れ、雪辱を誓う。
容姿は不明。ミロと同じく人前で顔を晒す事はほぼ無い。
慎重175センチ。戦闘特化の暗殺者として速度を重視した戦い方をする。
『影刃衆』 性別、年齢不詳
ミロの手足となって忠義を尽くす暗殺者集団。その実力は国のお抱えの暗殺者と比べても遜色が無いほどに高い。
構成員の数は不明だが、諜報、暗殺、誘拐など、その任務は多岐に渡り、各国に潜んでいる。
カロン 男性:44歳
世界有数の鍛冶師『鋼神カロン』として名を轟かせた人物。娘のカリスが家に招いた事で悠達と知り合う。
アライアットで名声を欲しいままにして来たが、使われない剣を打つ事を嫌い、一部の貴族から恨まれ工房を襲撃され左手の指を喪失。依頼を消化出来なくなり、アライアットを追放される。
性格は少々偏屈で気難しい。その性格が祟って指と職、更には国を失う事になり心身を患ったが、悠による『再生』での腕の回復、カリスの懸命な看護と精進を見て、再び鍛冶の世界に戻る。
容姿は中の中。カリスと同じ赤い髪と紫の瞳で、病床に居たためにかなり長髪になっている。
慎重174センチ。往年はがっしりとした体と太い腕をしていたが、病の為細くなった。現在は回復を待って鍛え直そうと考えている。
悠達とカリスに深い感謝の念を持ち、反面、国や貴族に言われるままになっている弟子達しか育てられなかった自分に絶望したが、せめて娘のカリスに鍛冶を教えて一人前に導き、悠達の装備を打って恩を返したいと思っている。
ただ、カリスには女としての幸せも持って欲しいと考えており、悠かベロウがその気になったならば娶ってくれないものかと考えている悩める父親の顔もある。
バラック 男性:37歳
下町を仕切る『バラックファミリー』の頭。カリスへの借金の取り立ての際に悠と出会う。
外道な手段と暴力でのし上がって来た男で、恐喝、強盗、高利貸し、そしてたまに殺人などで活動費を稼いでいる。
カリスが金銭に困っている時に金を貸し、あわよくばカリスの体を手に入れようとしていた。
性格は粗暴で陰湿。部下も恐怖で統率しているだけで人望は無い。
容姿は下の上。蛇の様な三白眼と後退した頭髪はどちらも黒い。
身長172センチ。暴力で統率しているだけあってそこそこに鍛えられた体をしている。
間違い無くこの第三章で一番悲惨な目に合った人物。ちなみにあの後メロウズにその辺に放置され、今まで恨みを持っていた人間達に見つかり集団リンチを受け、身ぐるみを剥がれた上で殺されたという不幸のドミノ倒しの末にこの世を去った。
『バラックファミリー』 性別、年齢は様々
バラック傘下のゴロツキ集団。酒場や娼館も持っていて、その内部の従業員も広義にはこれに当たる。
バラックの統率の下、下町にてそこそこ大きな勢力を持っていたが、悠達にバラックを壊され、次の頭に収まったメロウズに吸収された。
メロウズ 男性:26歳
『バラックファミリー』の若き幹部。カリスへの取り立ての際に悠達と出会う。
父親が裏社会の人間で、そのまま流れで人生の裏街道を進む内にバラックファミリーに入り、そこでそれなりの頭角を現して今に至る。
母親は娼婦であるが割と善人で、バラックの様に捻じ曲がる事無く成長し、必要以上の暴力を好まない。
性格は享楽的だが計算高い。裏街道を歩んではいても、それによって幸せに暮らせる人間が居るのなら職業に貴賤は無いと思っている。
容姿は上の下で、少しウェーブの掛かったグレーの髪に濃いグレーの瞳で優男風。軽快な話術とその容姿で酒場では女性達にモテている。
流れで『バラックファミリー』の頭となり、『メロウズファミリー』として再出発を余儀なくされ、汚い仕事からは手を引き、下町の調整役の一人として頑張るメロウズの今後の奮闘に期待したい。
次からは用語解説です。