第二章用語解説1 《登場順1》
ここからは用語の解説です。
《用語解説・登場順1》
支配術式
召喚器に付属していた術式。正式な名称は不明。召喚された人間はこの術式の影響を受けており、呪文により対象に痛みを与える事が出来る。支配とは言っても、意志を操る様な術式では無い。
『豊穣』:追記
『豊穣』を使用中は使用者は生命を奪う事が出来無いが、致命傷以上のダメージは精神ダメージへと変換される。その為、拷問には最適な能力である事が分かった。
召喚器
正式名称は不明。異世界人を強制召喚する為の道具だが、詳しい効果や原理も現在は不明。魔力を注ぐと毎日1~3人程度自動で召喚出来る。
ノースハイア王国
タナトス大陸北部に位置する大国の一つ。元は北の小国だったが、この20年で国土を10倍に広げ、周辺国は警戒を強めている。国王はカザエル・ミーニッツ・ノースハイア。
胡椒
アーヴェルカインでは一部を除いて非常に高価な調味料。ノースハイアから脱出する時、悠達は食糧庫の胡椒を大量に持ち出し、王族は大いに嘆いた。
二種複合結界
物理的、精神的な干渉を弾く効果を持った結界。Ⅴクラスの龍の攻撃も弾ける。
さり気なく使っているが、アーヴェルカインでは王宮にすら使用されていないほどのシロモノで、大抵の攻撃なら遮断出来る。
精神的な防御も兼ね備えているので、例えば『妖精の粉』の様な精神干渉であっても結界を突破出来無い。
変身
悠が子供達を安心させる為に着装を誇張した行為。
ペンダントを目線と同じ高さに掲げ、左半身を引いて半身になって左拳を腰で握り、タメを作って「変・身っ!」と叫ぶ。
その効果は絶大で、子供達は不安も忘れてはしゃぎ回っていた。
アライアット王国
ノースハイア王国の東に位置する国。以前はノースハイアより大きな国だったが、この20年でかなりの国土をノースハイアに切り取られた為、ノースハイアとは犬猿の仲。と言っても、元々仲は良く無かったが。
その結果、軍備には力を入れており、その軍事力は高い。反面、国民は搾取されて厳しい生活を送っている。
現在、ノースハイアの新たな『異邦人』である、『竜騎士カンザキ』を巡って軍内部は穏健派と主戦派の間で揺れている。
物理防壁
竜騎士や竜器使いが使用する物理防護結界。強度には個人差があり、悠の扱う防壁はⅥクラスの龍の攻撃までを無効にする。
また、風の抵抗や物理的な現象を持つ魔法攻撃に対しても有効。
防御が得意な防人、朱理などはⅦクラスまで無効に出来る。
また、竜気の燃費もそれぞれ個人差があり、悠は1分辺り1%程度消耗する。
死の定義
死には段階があり、まず第1段階で肉体が死に、第2段階でそれを認識した精神が滅び、更に第3段階で魂が離れると完全なる死を迎える。
樹里亜は肉体の損傷と精神の諦観により瀕死であり、蒼凪は精神の失調により肉体が壊れかけている状態であるなど、第1段階と第2段階は分かち難く深い関係がある。第3段階を過ぎてしまうと悠の『再生』や『潜行』でも最早助ける事は出来ない。
『異邦人』
召喚者のこの世界での公称。現在、ノースハイア以外では確認されていないとされる。基本的に忌み嫌われていて、人間扱いされない存在である。
『猛き戦場の風』
『竜騎士カンザキ』としての悠に付けられた二つ名。風の様に捉え所が無く、嵐の様に敵を蹂躙する様子から名付けられた。命名者の兵士は『竜ノ怨嗟』で既にまともな意識は残っていない。
『竜ノ怨嗟』
精神体、星幽体に干渉する『融合奥義』。精神体、星幽体に侵食性の毒と化した竜気を送り込み、それらを蝕み続ける。物質体に干渉しないのは慈悲ではなく、たとえ自殺しても肉体の無いまま苦しみが続く残酷な技。
その苦痛は極小の獣に体中を齧られ続けるような痛みを対象に与える。
長く対象者に苦痛を与え続けた上で、最終的には魂を崩壊させ『魂の消滅』させる、レイラすら使用を限定していた禁断の奥義。
使用するには『竜気解放・参』への状態変化が必要。
『融合奥義』
悠の奥の手。違う位階の干渉力を同時に行使する超奥義。現在確認されているのは精神体、星幽体に同時干渉する『竜ノ怨嗟』のみ。
使用するには『竜気解放・参』への状態変化が必要。
更なる奥義が解放されるか否かは、今後の状況の変化次第である。
『竜騎士カンザキ』
アライアット、ノースハイアで広まりを見せ始めている、悠の身分を隠した状態での公称。元々は竜騎士はこの世界ではドラゴンに騎乗して戦う存在を指していたが、その竜鎧の形状からそう呼ばれるようになった。
どちらの国でも実態を知る者からは恐れられているが、知らずに軽んじている者も未だ多い。
『精神治癒』
文字通り、精神を癒す技。しかし心が完全に消滅、または手遅れなほどに崩壊していると、効果を得られない事がある。
大きな欠点として、大変時間が掛かる事と効果が目に見えて分かり辛い事が挙げられる。
また、対象者が拒むと効果が薄くなる。
回復術
故人の白金 直人が使用していた魔法。正確には回復魔術。かなりの重症も癒せるが、悠の『再生』ほどの効果は無く、欠損部分が無いと部位欠損を治す事は出来ない。また、かかる時間も桁違いである。
幻肢
失ったはずの四肢がまだあるかの様に感じられる現象。また、後天的に四肢を失った人間は無いはずの四肢に痛みを感じる幻痛は有名な現象である。
『潜行』
精神の中へ直接自分の精神体を送り込む荒技。呼びかけに答えない相手でも、その精神に直接問いかける事が出来る。
精神世界は個有の物であり、同じ物は二つと無い。また、対象者も現実世界と同じ姿、形、性質であるとも限らない。全ては精神が優先する世界である。
相変わらずこの作業に時間を食ってしまいます;;




