プロローグ
はじめまして!こんにちは!!
今日からわたし、林 理世あらためリリアム・ハーネスになりました。
はい、そうです!
実はわたし、いわゆる転生者というやつで異世界の名門騎士一族に生まれたようなのです。
……なんてことを思い出したのは、5歳の誕生日を迎えた翌日のこと。
その時はさすがに混乱しましたとも!
三日三晩、高熱が下がらず生死の境をさまよったのは、今ではいい思い出だ。
なぜなら、そんなことよりもずっと大事なことを思い出したから。
実はわたし、前世では刑事ドラマとかスパイ映画とか謀略モノが大好きでそんな世界に憧れていた。
そして、ここは異世界。
各国を治める王様がいて、王宮では毎日のように貴族や役人がライバルを蹴落としたり、罠に嵌めたり奸計を巡らせているわけで……
そこまで考えて、わたしの将来は決まった。
わたし、王宮勤めの騎士になります!
それから、わたしは来る日も来る日も英雄と呼ばれた祖父にしごかれ、軍の上層部の父にしごかれ、騎士団団長の兄にしごかれ、血反吐を吐くほど鍛錬に明け暮れた結果……
見事、17歳の誕生日に騎士になるための登用試験に合格し、はれて騎士見習いとなった。
この日からわたしのめくるめくドロドロ愛憎劇ライフがはじまるのだ。
やっほーーーい!!