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とうとう当日になってしまった。
刻一刻と劇の本番がやってくるよー
着物も用意したしセリフもばっちりのはず
ああ大将がいる。
「大将今日はよろしくお願いします」
「・・・・・・・」
「大将?」
「まっ、まかせとけ栗山」
「まだ本番まで時間あるのにもう緊張してるよこの人」
「緊張なんてしてないこっこれは私の普通の話し方だ」
(いやいや緊張しまくりですよ)
「あれ大将瑞希さん今日はよろしく」
「北山君さわやかな登場の仕方だね」
「君は緊張してないのか?」
「いいえ。時間が近づくんで心臓がめちゃくちゃうるさいですよ」
劇をするのはお昼が終わったあとだ校長のおかげで1時間ぐらいもらっちゃたんだ。
「まあ戦いのときはよろしく頼むぞ」
「練習したんだから大丈夫ですよ」
「そうだなそれじゃあとでな」
「「はーい」」
昼休みに突入本番まであと50分
「ねえ瑞希劇やるんでしょ楽しみ」
「絶対夢中になるから楽しみにしててね」
「わかったよ」
私はお弁当を食べたり話に夢中な人達にも聞こえるように大きな声をあげた
「みんな劇見にきてね」
「「「「「セリフ忘れないでね」」」」」
「忘れないわよ」
隣のクラスでは
「修一劇やるんだってな」
「おおー見にこいよ」
「何の役なんだ?」
「・・・・見てからのお楽しみで」
「ずっりーな修一は」
「みんな修一の劇見に行ってもいいかな」
「「「「「「いいとも」」」」」
クラス全員の声が響き渡った
ワイワイガヤガヤ
たくさんの生徒達が見に来ていた1年と2年は全員いたけど3年は試験勉強とかで少ししかいなかった
体育館の黒幕の後ろでは緊張しまくりの瑞希と剣道部部員がいた。
「俺達出番直ぐですよ大将」
「僕途中でこけないかな」
「俺も不安になってきたよ」
(私出番遅くてよかった)
「おーい劇始めるぞー」
「「「「「「「ファイトーオー」」」」」」
私の弟海斗がナレーター役兼声だけ出す役です
;この話は新撰組の沖田総司と一人の娘による恋愛のお話です;
;時は1864年新撰組が華々しくデビューを着飾った事件池田屋から始まります;
剣道部の人達のシーンだ。間違えずに言えるかな?
「幕府を倒すなんて簡単ですよ」
「しかし、敵にはあの薩摩藩のやつらがいるんだろう?」
「大丈夫ですよ私たちが集まればあっという間に倒幕できますって」
「ほおー簡単に幕府など倒せるのか」
「当たり前って貴様は何者だ?」
「私か私は新撰組一番隊隊長沖田総司だ」
「「「「新撰組?」」」」
「知らないなそんな隊」
「すぐに名など知られるさ。貴様らは聞けぬがな」
「なんだと」
一番最初の目玉だ沖田総司が一人を切るシーンだ
CDで録音した音を流す。
刀で切った音が聞こえてきた
「きっ切られた」
「俺達でかかればきっと」
?
次のセリフを言うはずなのにみんなセリフを言わないどうして?
黒幕から見てみるとそこには北山君がううん沖田総司がそこにいた
「どうした一人切られて怯えてよく幕府を倒すと言えたな」
(どうしよう大将セリフが出てきません)
(彼の顔を見ただけなのに)
会場にいるみんなが彼が演じる沖田総司に見入っていた
演劇部の伝説が今始まる