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すごい、なんか周りが幕末の江戸に見えてきた。
そして北山君が演じる沖田総司とたくさんの敵が見えて
(やっぱり彼を演劇部に)
「すごかったよ北山君」
「!!」
「あなたを演劇部部員第一号に任命します」
「えっお断りします」
「なんで今の演技最高だったのに」
「他にもやりたいやついるはずだから」
「それなら1週間後まで私の手伝いをしてよ」
「手伝い?」
「そっ実は1週間後に舞台をやってそれで部員集めを」
「・・・・・・・分かった」
「本当」
「それじゃこのセリフを呼んでみて」
北山君が読むよう頼んだセリフは一人の少女が沖田総司が新撰組の一人だと知るシーンだ
「分かったわよ読むわよ」
(すっごい見られてる、緊張してきた)
「貴方様は本当に新撰組の方なのですか?」
「・・・・・ああそなたには知られたくなかった」
「私の手はもう血に染まってしまった。だから純粋なそなたには」
(すっごいなんか私もつらくなってくる)
「そんなこと・・・ないです。私を人切りから救ってくださった貴方様の手は血塗られてないです」
(上手に出来たよね)
「最初は緊張して駄目だな、最後は良かったほうだな」
「本当!」
「でも、言葉に感情が無かった」
「言葉に?」
「あのさ、おはようって言ってみて」
「?おはよう」
「これって意味があるの?」
「ハァーおはようにもいろんな感情とかがあるだろう」
「???」
「それじゃ、俺がやるからよく見とけよ」
(あいさつにも感情がある?)
「眠たいときのおはよう、友達に会ったときのおはよう、暗いときのおはよう」
「あっ、そうだね。おはようにもいろいろあるね」
「そうだろ、どんなセリフも感情によって色んなセリフになる」
「たとえば、今の沖田総司のセリフも」
「早くやってみて」
「くくっ私の手はもう血に染まっている。だから純粋なそなたには」
彼は刀についている血を舐めたのだまるで人を切るのを楽しんでいるみたいに。