Puppets in the Box 匣の中の人形
題名が長いぃ
特に話すないもないので、、、
それではぁー
はーじまぁーり~
マリオネット―――
それは操り人形の名前である。操り主の意のままに動かされ、踊らされる。
観客はその姿を見て様々な感情を抱く。
しかし操り主はどうだろうか?彼は、その茶番劇に何を感じているか?
観客に対する感謝か?自らの腕に酔いしれる自賛か?
いや、チガウ。
彼の心中にあるのは―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
走り続けてもまだ森は途切れない。
枝が服に引っ掛かり、擦り傷もだんだん増えてきた。
先程からずいぶんと走り続けている。
前を走る真事暗闇の中を走っているのにもかかわらず、常に方向を間違えずに走っている。
つまりいうと、建物から逆の方向に走り続けているのだ。
ふいに前方を歩く真事が減速し、一志の横に並んでくる。
深刻な声で小さくささやいた。
「尾かれているか、監視されている」
「森にしては動物の気配がなさすぎる。なにか異質なものを感じ取っているのかもしれない」
補足説明をつける真事。
「それで、どうするんだ?罠でも仕掛けるか?」
これまた小声で返答する一志。
「使われているのは、先ほどの犬や、夜鷹――― とにかく夜行性の動物だと思う」
「…月がないことを逆手に取られたか」
あくまでも真事は冷静である。
まだまだ鬼ごっこの段階、この程度で動じはしない。これ以上の修羅場を彼は一人で経験してきている。
「いつ敵から奇襲が来るかどうかが問題だ。相手はこちらから悟られないようにしている。動物でこれだ、人間になったらどうなるか…」
その一言にドキッとなる一志。
そんな事とも知らずに、真事がまた一志の前を走り始める。
監視されているのに、長く話し合いの素振りを見せるのは危険だと判断したからだ。
―――大丈夫なのか…
ボソッとそう呟いた一志の言葉は、一歩前で走っている相棒に届いたかどうか定かではない。
しかし呟いた自分の耳には確実に届いた。
水に垂らしたインクのように、不安が広がっていく。
先ほどの出来事が脳内に再生される。
血の混じった臭いに、目の前で痙攣している黒い物体―――
思いだすにつれて動悸が早まり、呼吸が苦しくなる。
視界が暗くなっていく、思考がぼんやりして、足が重くなっていく。
ゆっくりと、地面を蹴る力が弱くなるのを感じた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
匣―――
自分の手中に収まる匣―――
匣の中のモノはすべて自分の意思で世界が回っていると思っている。
それがすべて幻想だとも知らずに。
すべては、匣の持ち主の意のままに、そのモノたちは動いている。
ある日、モノたちは気付くのだ。
自分たちは操り人形なのだと―――
自分たちが信じてきたものが一気に壊れ去る、
すべてが虚構、すべてが幻想―――
操り主はその絶望感に打ちひしがれたモノたちを見て、愉しむ。
神になった気分を味わう、世界を高みから俯瞰する。
それが、彼の―――
さてと、特筆すべきことは今回は何もありません。
次回は何時出没するか…
それではまた次回お会いしましょう!