Promise and Ideal 約束と理想
どうもおひさです。
最近、色々いっぱいいっぱいで更新遅れたりetc…
とりま、はぁーじぃまぁります
もやもやした、いやな感覚が心の隅からぬぐい去れない。
脱出の話を持ちかけられたあの日の夜、もうひとつ重大なことを聞いた気がする。
それがどうしても思い出せない。
思いだそうとすると、頭の中でストップがかかる。
脱出の内容は鮮明に脳裏に焼き付いているのだが―――
無限ループが始まりそうな思考を、一志は首を振って止めた。
どうやら真事はもう行ってしまったようだ。
一人残された一志は、冷たいタイルに足をつけて、その日の訓練に向かった。
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計画実行を夜に控えたその日の午後、一志は真事に呼び出された。
場所は敷地内の外れにある、電気管理室。
一志がそこに行くと、真事はフェンスにもたれかかり、暇を持て余していた。
「おっせーぞ。まぁとりま、こっち」
真事の隣に少し距離を置いてもたれかかる。
「さて、今日の夜に計画実行なんだがその準備だ。ここでちょっと電気系統をいじるんだが、その前に話がある。多分確実にゆっくり話せるのは、今だけだろうし。 そんでまぁ話っていうのは、一つ約束をかわそうかなと思って」
「約束…」
オウム返しに呟く一志。
「そうだ、約束だ。俺は自分の生まれた所の記憶はちょっと定かじゃない。微かにあるのは、その地域では、約束を交わす際にお守りを相手に渡すそうだ。だからこれお前にやるよ」
そう言って真事は腕にはめてた、それを渡した。
一志はもらったそれを、夕暮れの空に透かしてみた。夕日の光にそれの表面がきらりと反射する。
「二つで一対だ。もらった方は左腕につけるみたいだ。俺との約束は、ここから脱出してちゃんと生きる事だ。俺は世界を見てみたい。戦争してるとこも、平和なとこも、なんで同じ世界なのにこんなにも違うんだ。その理由を俺は知りたいと思う。その旅に、一志、お前も一緒に来てほしいんだ」
山の向こうに沈もうとしている太陽が、二人を朱色に染め上げる。
朱と群青が交錯する世界に放たれる一言一言に、外の世界に対する期待があふれていた。
しばらくだまって、考える一志。少し間をおいてからようやく答えた。
「その言葉、ちゃんと受け取った。約束だ」
正直、外の世界に行く覚悟はまだついていなかった。しかし、真事の真剣な言葉を聞いて決心した。
その言葉を聞いた真事はうれしそうに笑って見せた。
「よーし、言ったな!その言葉忘れんなよ。そんじゃ俺はまだ作業があるから、先に戻っててくれ。見つかんない様にな」
そう言い残して真事は、電気管理室のドアを開け、中の階段を下って行った。
一志はその姿を見送ってから、ドアを閉めた。
そして、迫ってくる夜闇から逃げるように早足で夜間訓練に向かった。
とにかく最近忙しいです。
なので更新頻度ガタ落ちする可能性もなくはないです。
もうそろそろ収育所のやつは終わるんで、そこまでは力を振り絞って書きたいです。
とにかくよろしくお願いします。
それでは!