Time Passes 時は流れる
題名の通り、全話から時間を飛ばしました。
その間のことは落ち着いたら書きたいと思います…
それでは行きましょか!
はーじまぁーりっ!
ビーーーーーー
頭上のスピーカーから今日の訓練終了のブザー音が鳴った。
それと同時に部屋の明かりがつく。
部屋の床には散乱したたくさんの小さな鉄球が落ちていた。
一志は肩で息をしながら、部屋を出る。
そしていつものように、扉のまえに立っている人物から、今日のデータをもらう。
「素晴らしいの一言に限るよ。s-21とs-22の成長速度にはね。前回よりも着実に能力が上がっている」
その人物の言葉は人に対するのではなく、武器に対する言葉だ。
次の部屋に行く通路で一志は、灰色を基調とした服に縫われた「s-22」の文字をジッと見つめた。
次の部屋では、真事がガラス越しに訓練しているのが見えた。
訓練メニューは頭文字の組みごとに違う。
一志たちの組は、バランスがとれた訓練メニューとなっている。
1~2年ほどで、それぞれの特性に適した組に編入される。
真事の今の訓練メニューは、部屋の中で戦闘用に作られたロボットと戦い続ける、というようなものだ。
すべての訓練において途中棄権は例外なしに許されない。
しばらく一志は次々と増えるロボットの残骸を数えていた。
訓練終了のブザーが鳴った時部屋の半分以上が壊れたロボットで埋まっていた。
「おっ、めずらしいな一…」
そこまで行った時に一志が真事の言葉にストップをかけた。
この建物内で自分の本名を口に出すのは禁じられている。
「そうだったな・・・ それじゃまたあとでな」
そう言って真事は次の部屋へと行ってしまった。
その入れ替わりとして一志は、ロボットの残骸が瞬時に片づけられた部屋に入る。
すぐさま部屋がロックされた。一志は腰を落として構えた。
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一日の訓練が終わり、質素な食事を済ませた二人は牢獄のような部屋に戻った。
「あの日からもう一年ちょいになるのか…」
二段ベットの上で真事がボソッとつぶやいた。
「…そうだな まだここから出る気はあるのか?」
「そりゃ、もちろん。まだやることあるしな!」
真事は強がりではなく、本当にここから脱出するつもりでいる。そんな気持ちが伝わってくるような口調だ。
「あ、そうだ一志。明日、面白いこと教えてやるよ」
それはいたずらっ子が面白いいたずらを思いついたような声。
「な、何だよ… そんなうれしそうに」
一志は困惑せざるを得なかった。
「まぁ お楽しみだ …俺眠いし寝るわ おやすみぃ~」
真事は大きなあくびをして寝てしまった。
そのあとには軽い寝息。
真事のあくびにつられて、二段ベットの下にいる一志もかすかにまどろんだ…
―――声がした。
一志は夢だと思ったが、声がどうもリアリティだ。
「こんばんは」
声がそう一志に語りかけた。しかし声といっても空気の振動により生じるような、物理的な声ではない。
今、一志は眠っているのだから。物理的な声が聞こえるはずもない。
「…あなたは?」
無意識のうちに一志は、そう返していた。
そして、その言葉に声の主はかすかに笑ったように見えた。
さて、次回からはいっちゃいますけど急展開が始まります。
物語が動く!っていうところです
早く投稿します!ようやく自分が書きたいAKATSUKIだ!ってとこまで来たんで。
それではそれでは、みなさん
鎖予ー納羅(* ̄▽ ̄)ノ