The beginning 出会い
第5作品目です。
この作品は、最後までの構想がほぼ出来上がっています。
この物語はジャンルが何とも言い難いです。
でもなかなか自分でもよくできると思いました。
では、いつもどおりに
スタートッォ!!
―――大輪の花が夏の夜空に咲くその日二人は出会った
二人の人物が向き合っている
唐突に少女が口を開いた―――
「私、命を狙われてるの」
二人の間に沈黙が流れる、まるで二人の間だけ時が止まっているようである。
「もっかい言うね。私、命を狙われてるの」
青年はしばらく考えるそぶりをした後にゆっくりと口を開いた。
「それで、何が言いたいんだ?」
「何がって、言葉のとおりよ。私命を狙われてるからあなたに守ってほしいの」
暗がりでよく見えないが、時折打ち上げられる花火の彩が照らす少女の瞳には信実な光が宿っていた。
「それで守ってほしいって頼んでるんだけど―――」
「危ない!!」
そう言って青年は瞬時に少女との距離を詰め、少女を突き飛ばした。
数秒前までに少女が立っていた場所には短刀が突き刺さっていた。
「す、すごいなんでわかったの?あなたが初めてだよ攻撃をかわしたのは」
「んなこと言ってる場合じゃねぇ、はやく行くぞ」
そう言って青年は少女の手をとって走り出した。
「きゃっ、ちょっとまってよ」
二人は人ごみの中をかき分けていく。
しばらく走り続けた後、二人は花火のうち上がる音が少し遠くに聞こえる所になってからようやく立ち止った。
「もう!なんなのよ!いきなり走り出して、びっくりしたじゃない」
少女は息を切らせながら言った。
「あんな人ごみにいたら他の人に危害が加わるだろ」
「まぁ、いいわ。もうしばらく私は狙われないと思うから」
二人は近くにあった小さな児童公園のベンチに腰を下ろした。
「あー、疲れた。そういえばあなたの名前は?」
「俺の名前は守宮一志だ。よろしくな」
少女が口を開きかけた瞬間、少女の体がぐらりと揺れた。
そのまま一志の膝の上に倒れてゆく。
「お、おい…ちょ、まてよ」
一志は少女の額に手を当ててみる、ものすごい熱がある。
ふと街灯に照らされている少女の顔を見る。整った顔立ちが街灯に照らされる。すると一志は不思議な感覚にとらわれた。
膝の近くまである長い漆黒の髪、その色は夜闇と同じくらい深い。
それと対をなすような透き通った白い肌、その色は早朝の白い靄を連想させる。
もう一度その少女の顔を見てみる、一志はどこかでこの少女に会った記憶がある気がするがそれを思い出せないでいる。
一志は慎重にその少女の体を起こした。
そして少女の体をおぶった。思ったより軽いなと思った。
「これなら家まで運ぶのは苦にならないな」
誰もいない公園で呟いてみた。
そして一志はゆっくりと家へ向かって歩き出した。
頑張って文をうまくしようとしたのが少し失敗でした。
でも、ストーリー的にはちゃんとできたつもりです。
次回は少し続きを書く前に過去のことを書きます。
では、また次回!