始まりの意味~プロローグ~
始める前に少しだけ説明を・・・・・
月喰らい(むーんいーたー)
月の独占とそれを邪魔するものへの攻撃を主とするもの
星の貴公子
月喰らい(むーんいーたー)を倒すべく
アカデミーから卒業し、資格をもらったもの(一部例外あり)
アカデミー
月の貴公子候補生ともいう。
五年の戦闘へのカリキュラムを経て、月の貴公子試験を受けることができる(一部例外あり)
「・・・・人は・・・手に入れてしまったのでしょうか・・?禁断の果実を・・・・」
首都王国、王宮の一室、そこに彼女はいた。
長いゆるりとした金髪、穏やかそうな眼
みた者はだれもが美しいと答えるであろうその容姿
その少女は、
小さなため息をつき、読んでいた厚い本を本棚に直すと、普段はかけていない眼鏡を外した。
時刻は浅夜、窓際まで歩いていき外を眺めた少女は出ていた月に祈るように呟いた。
「星の貴公子達・・・・どうか、御無事で・・・・・」
~同時刻~
「・・ハァッ・・・ハァッ・・・・おいっ!!そっち行ったぞ!!」
「なっ!!?くそっこいつ!!」
月の明かりを頼りにし森を駆ける影が七つあった。
五つの影はそれぞれが連絡を取り合い残る二つの影を取り囲むように動いている。
「ぐぐぐぅぅぅぅ!!!!1」
「ががががぁぁああ!!!!」
二つの影はそれに抗うように抵抗を見せていた
口からはだらしなく唾液を垂らし、四足歩行のその姿は化物と呼ぶにふさわしい姿だった。
「俺がいこう・・・・サポートを頼む・・・」
五つの影のうち最もガタイのよさそうな男が肩に差していた大斧を取り出し
一歩前に出た。
その姿は人間・・・と呼ぶには少し違和感があり、たとえるなら獣人といった感じだった
「大丈夫かよ相手はランク3はあるぞ?全員で囲んだ方がよくないか?」
腰ほどまである大きな銃を担いだ男が呟くように言った。
こちらの男はおおよそ一般的な人間だった
「心配はいらない。片は一瞬でつける。」
「まあ、大丈夫だろ?サポートもあんだし・・・早いとこ蹴りをつけようぜ」
「・・・・全く持ってその通り・・・・・」
「んじゃま・・・いくか・・・」
「「おうっっ!!!!!!」」
「「餓蛾右っっっ!!!」」
~~次の日~~
「じゃ、じじい!!行ってくるよ!!」
「ああ、気をつけてな。」
「ああ、じじいもな!!ぽっくり死んだりすんなよ?」
「はは、きをつけるよ・・・・」
バタンッ!!
ドアを勢いよく閉めて、鳴海 悠は出てきた。
男としては程よく伸びた黒髪に喰えない顔つき、なかなかの好少年だ。
「さてと・・・じゃあとアカデミーにいくか・・・・」
駆けだした足取りは軽く、気分もよかった。
何といっても今日はアカデミーの卒業試験だからだ。
五年間、戦いのためのカリキュラムを受け続けてきた。
その成果を今回の試験で見事打ち出すことができれば、
晴れて彼は星の貴公子の一員となれるのだ。
「へへ・・・今日で俺も、星の貴公子かぁ・・・・」
かみしめるように言った言葉は誰にいったわけでなく
自分への暗示のようなものだった。
しかし・・・・
「悠!!。全く・・・・そんなことを言って油断してたら足元をすくわれるぞ!?」
悠が呟いたことばは、奇しくも悠の親友への言葉となっていた。
「海か・・・びっくりさせんなよ・・もう」
悠は彼自身が海、と呼んだ人物の方へと近づいていった。
式波 海
悠よりも若干長い髪、シアン色の髪はっきりとした顔立ちは
悠とは異なるが、十分な高少年だった。
「はは、おどろかせちゃったかな?」
「いや・・・大丈夫だけど・・・・今日は花は一緒じゃないのか?」
悠のいった花とは
鈴本 花のことである。
橙の髪にさらっとしたボブカット
自然な顔立ちをしていて、なかなか男子からの人気もある女生徒だ。
「いくら幼馴染だからって、いつでも一緒ってわけじゃないよ。それに、そんなことをいうなら悠だって幼馴染じゃないか?」
「ば~か、俺はそういうことをいってるんじゃないよ。お前の恋の応援をしてやってんだよ♪」
その言葉を聞いたとたんに海の顔が真っ赤に染まる。
「なっ!!?・・・ばっ、ばか!!誰かに聞かれたらどうするんだよ!!?」
「ははっ、大丈夫だよ。誰もいないしさ。・・・・・じゃあ、もうアカデミーにいるのかなぁ?
それならだ。海!!早くアカデミーに行こうぜ!!」
「あぁ!!今日でアカデミーともお別れだね。
これからは、僕たちが
月を喰らうもの(むーんいーたー)と戦うことになるんだから・・・」
「まあ、試験に合格したらの話だけどな・・・・?」
そう言って二人はアカデミーへと向かった
三話目くらいまで
プロローグは続きます。
長い目でみてやってください