↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

赤い僕

作者: 海野さや
掲載日:2026/11/06

 産み落とされた時から、僕はその場所にいた。


 赤い壁、赤い天井、赤い床、赤いトイレ、赤いベッド、赤い布団、赤い服、赤いミニカー……


 食べ物と排泄物(はいせつぶつ)だ(・)け(・)は他の色が付いていると教わった。


 僕は『レッド』という名前で呼ばれていた。


 色の赤という名前だそうだ。


 ある程度のコミュニケーションを取れる位の物事は教わっていたらしい。


 先生という人は、僕と同じ赤一色の物に包まれて、色々な事を教えてくれていた。


 僕の肌の色はペールオレンジというらしく、僕の赤色が薄くなった色だと教わった。


 そして、僕の身体の中には赤い血というものが流れていて、それが命を作っているのだということだった。


 命のみなもとが赤。僕の色。


 赤いミニカーで遊んでいるときに、勢いよく動かしていたらタイヤという場所で指がすれて、赤いものが僕の指から出てきた。


 先生の言う通り、僕は赤でできているんだと納得した。


 ある日、今まで聞いたことのない大きな声が隣から響いてきた。


 初めて聞いた恐怖に満ちた声は、とても怖かった。


 僕は先生と、食事を持ってきてくれる赤い人しか知らなかったから……


 バタバタと走る音が聞こえて、隣で勢いよくドアが開く音が聞こえたかと思ったら、何かが打ち付けられて倒れたような音が聞こえた。


 怖かった。何が起きているかわからずに、僕は部屋の真ん中でたたずんでいた。


 しばらくして、静かになったと思ったら……


 ―カチャン―


 鍵が開く音がして、ドアが開いた。


 そこには、僕の赤と知らない色をまとった、僕ぐらいの歳の子が立っていた。


「私はホワイト、あなたは?」


 その子は僕に話しかけてきた。


「僕はレッド、君の身体にも僕と同じ色が付いているけど、ホワイトもキレイな色だね」


 初めて部屋から出て廊下にたたずみ、鍵と同じ色のドアを次々と開けてまわるホワイトを、遠くから眺めていた。


 そんなホワイトを見つめながら、僕は思ったんだ。


 君の身体の中にも、僕と同じ赤が流れているのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。